宮崎駿監督10年ぶりの長編作品として、大きな注目を集めた『君たちはどう生きるか』。韓国でも10月25日より公開され、2日連続でボックスオフィス(興行成績)1位を記録した。
好調なスタートを切ったかに見えるが、実際の観覧客からは少なくない“酷評”が聞こえている。
27日、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、『君たちはどう生きるか』は前日(26日)、9万4079人を動員してボックスオフィス1位を記録したという。2日間の累計観客動員数は34万9309人だ。
『となりのトトロ』(1988)、『千と千尋の神隠し』(2001)、『ハウルの動く城』(2004)などを手がけてきた巨匠が、『風立ちぬ』(2013)以来、10年ぶりの新作という点で日本はもちろん、韓国でも注目を集めていた。
ただ、期待と比べてマーケティングは“神秘主義”の連続だった。日本に続き、韓国でもマスコミ試写などが一切行われず、静かに封が切られたのだ。
公開まで情報を一切明かさないマーケティングが奏功したのか、前売り率と公開初日の興行成績は1位を記録した。たが、実際に映画を観覧した観客の評価は芳しくない。
主な意見としては「難解だ」と「展開が理解できない」ということだ。特に、戦時中の1944が時代背景という点などが要因となり、韓国の観客の心を掴むことができなかったとされる。さらに、亡くなった妻の妹(義理の妹)と再婚するという設定も、韓国では親族間の行為を連想させ嫌悪感の対象になっている。
そのため、公開前の期待は99%に達していたが、鑑賞後の評価は67%にまで下落(27日14時時点)。また、5000程の評価も凄惨だった。
観客の評価を集めてみると、「宮崎駿の20年来の大ファンとして失望を禁じえなかった。難解さを越えて無責任だ」「観るには観たが、何を観たのか分からない」「何を言おうとしたのか(わからない)」など、難解なストーリーに共感できなったという声が多い。
このほかにも「演出、ストーリーなどに何の関心もなく、少しでも稼いで息子の事業に投資するための映画」「期待を全くせずに行かなければ観られない映画」といった酷評も見受けられた。時代背景を、ある程度考慮して行った観客でさえ、展開やストーリーが理解できなかったという反応だ。
このように否定的な意見が多いなか、一部では「だからマスコミ向け試写会をしなかったのか」という意見も出てきている。事前に映画を観覧した記者たちのレビュー記事で、興行に影響を及ぼすことを恐れ、省略したのではないかということだ。
韓国公開初日に25万人を動員するも、翌日には9万人まで急落した『君たちはどう生きるか』が、韓国でどのような成績を残すのかに注目が集まる。
(記事提供=OSEN)
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