”ステラ”。かつて父がタクシーとして使っていた、廃車目前のオンボロ車だ。撮影には韓国中を探し回り、2台だけ存在した1987年製の“ステラ”を使用。タイトルを担うだけあり、主役とも言える存在感で、ヨンベをはじめあらゆる登場人物の運命を大きく変化させる。
ヨンベを窮地に追い込む親友ドンシクが逃走に使うのは配送用大型トラック。妻と別れ、子どもにも会えず寂しい日々を送るドンシクは、ヨンベから納車を頼まれたスーパーカー(ランボルギーニ)を目にした途端、義より欲望を取ってしまう。そんな彼も自身のトラックで韓国中を逃げ回ることに。
そして、彼が持ち去ったはずのスーパーカーは一体どこへ言いたのだろうか。手下とともにレクサスなどの高級車を乗り継ぎ、ヨンベを追うソ社長(演者ホ・ソンテ)。血も涙もない風貌ながら、ヨンベを追い詰めるのに四苦八苦する彼らの珍道中に笑いをこらえていると、やはり驚愕の一面が明らかとなる。
ちなみに、劇中では「登場するたびに車が変わる」というソ社長一行。その高級車ラインナップにも注目だ。
ソ社長のランボルギーニを前に、ヨンベと掛け合う同僚チョルグを演じるのは、『愛の不時着』でソン・イェジン演じるユン・セリのために奔走するホン・チャンシクを演じたコ・ギュピョル。現在Disney+で配信中のドラマ『弁論をはじめます』では、イ・ギュヒョンとも共演中の名バイプレイヤーだ。
そして、80年代には繁栄の象徴だった”ステラ”と、タクシー運転手として一家の生計を支えたヨンベの父(演者チョン・ノミン)と小さい頃のヨンベが和やかに笑い合う、どこかノスタルジー溢れる一枚も公開された。登場人物と車との切っても切れない縁にも注目して欲しい。
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