日本公開を6日後に控えた映画『リバウンド』より、チャン・ハンジュン監督のインタビューが解禁となった。
本作は、たった6人の部員で全国大会決勝進出を成し遂げたカン・ヤンヒョンコーチと、釜山(プサン)中央高校バスケットボール部の奇跡の物語。韓国全土に衝撃と旋風を巻き起こした実話が、構想11年の時を経て映画化された。
監督を務めたのは、韓国初の医療サスペンスドラマで日本でもリメイクされ話題となった『サイン』の脚本と演出を手掛け、映画『記憶の夜』など監督としても多くの作品を輩出しているチャン・ハンジュン。脚本は、映画『工作 黒金星と呼ばれた男』で第27回釜日映画賞脚本賞を受賞し、Netflixシリーズ『ナルコの神』等でも知られるクォン・ソンフィと、Netflixシリーズ『キングダム』、ドラマ『シグナル』など、話題作が続き大韓民国最高と定評のあるキム・ウニら韓国屈指の豪華スタッフがタッグを組んだ。
そして、バスケットボール部員を全国大会の決勝という晴れの舞台へ導く、カン・ヤンヒョンコーチ役には、ドラマ『マスクガ―ル』や映画『シークレット・ジョブ』のアン・ジェホン。徹底的な役作りを行うことで知られる彼は、本作でも実際の人物に近づけるため一週間で10kgもの増量を行い、体当たりで熱演している。
バスケットボール部の部員には、『魅惑の人』『愛の不時着』『浪漫ドクター キム・サブ3』などの話題作に出演し、大注目の若手俳優イ・シニョンを筆頭に、2AMで俳優としても活躍の幅を広げているチョン・ジヌン、『偶然見つけたハル』『女神降臨』『オー!マイベイビー ~私のトキメキ授かりロマンス~』といった人気作へ出演したチョン・ゴンジュ、ドラマ『恋慕』への出演が話題となったキム・テクといった新鋭俳優たちが、実際にバスケットボールのトレーニングをして撮影に挑んだという。
以下、チャン・ハンジュン監督のインタビュー。
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Q1.映画『リバウンド』は長い年月をかけて準備した作品だと聞きました。今回の映画で監督を務めることになったきっかけと、また決心した理由について聞きたいです。
あまり世間では知られていない実話という点に惹かれ、若い選手たちの汗と闘志をかたちにしてみたいと思い、今回監督をすることを決心しました。
Q2.『リバウンド』で初めてスポーツ映画を監督することになりましたが、 特に韓国で本格的にバスケットボールについて取り上げたのは、今回の『リバウンド』が初めてだったと思います。今回、撮影をしながら、特に気をつかった点、そして大変だった部分はどういうところでしたか?
スポーツ映画では、競技そのものが迫力あるように見せることが必須だ。そのため俳優たちは実際にバスケットボールの実力を兼ね備えていなければならず、彼らのプレイが本物だということも伝えたかった。そこで生み出された数多くの掛け合いは何度も練習されたものだ。そしてプレイに従ってカメラの動きを合わせるため、幾度もリハーサルを繰り返しました。約3カ月間の合宿生活を経て、リアルな試合シーンをカメラに収めるため、皆が努力しました。
Q3.カンコーチ役の俳優アン・ジェホンさんは実在の人物と非常に高いシンクロ率を披露し、素晴らしいキャスティングだったと思います。アン・ジェホンさんをキャスティングすることになった理由と、演技の点でアン・ジェホンさんに何か助言したことはありましたか?
アン・ジェホンさんは韓国の俳優の中でも、細かな感情表現ができるかなり優れた俳優です。 そして、実際のカンコーチと似た身体つきと容姿だったため、キャスティングすることになりました。 実際、アン・ジェホンさんはカンコーチと同じ身長で、ヘアスタイルや風貌もシンクロ率をさらに高めるために努力されていました。演技面では、誇張したり、状況展開のためのジャンルにとらわれた演技ではなく、できるだけ自然な演技をお願いしました。
Q4.釜山中央高校の選手を演じた他の俳優も、実際の人物と似た俳優をキャスティングされたと聞きました。 オーディションを進行しながら、重要視していたポイントを教えてください。
実際の選手たちと身体つきが似ている俳優を探すと同時に、バスケットボールの実力も重要でしたし、もちろん演技力も重要な要素だったので、キャスティングするのは容易ではありませんでした。20代の俳優ら約400人が参加したバスケットボールと演技のオーディションを通じて俳優を選抜しました。
Q5.実在の人物を描くのはとても難しいことだと思います。 監督が実際の話を脚色して製作しながら、特に気を使った部分についてお聞きしたいです。
劇的な展開のための作意的な要素を最大限排除し、実際の物語に近づけて脚色しました。
Q6.エースのチョン・ギボム選手を演じたイ・シニョンさんをキャスティングした理由についてお聞きしたいです。 また、撮影現場でどのようなアドバイスをしたのか、イ・シニョンさんと一緒に本作を作り上げてみていかがでしたか。
イ・シニョンさんは見るやいなや、一目で気に入りました。 彼が持っている平凡なように見えて綺麗な容姿に物静かな雰囲気が良かったんです。演技も良かったのですが、問題はバスケットボールをした経験がなかったということでした。 ギボムの役割はチーム内で一番バスケットボールが上手でなければならないので多くの悩みがありましたが、彼の血のにじむような努力と彼が持つ情熱で克服できると思い、キャスティングしました。 彼は特有の勤勉さと粘り強さで試合シーンを演じられていました。これからの10年がとても期待される俳優だと思います。
Q7.チョン・ジヌンさんの場合、以前からバスケットボールをされていて、本作では勝利のカギとなるキーパーソンだったと思います。 今回キャラクターを作るにあたって何かお話されたことはありますか?
俳優チョン・ジヌンさんの演技はある程度見たことがあると思っていましたが、本作のギュヒョク役の演技は私が思っていたよりはるかに安定感のある演技を見せてくれたと思います。 バスケットボールの実力だけでなく、私が頭の中に描いたギュヒョクをうまくかたちにしてくれてありがたく思います。
Q8.作家のクォン・ソンフィさん、キム・ウニさんが本作の脚本を担当されました。 作家陣と一緒に仕事をしてみた感想、また監督として、作家さんにお願いしたことがあれば教えてください。
クォン・ソンフィさんの荒削りだが力のある言葉とキム・ウニさんの繊細な描写の展開がとても良かったです。作家さんたちには最大限作意的な要素を取り除いてほしい、というお願いをしていましたが、満足できる修正稿が届きました。
Q9.映画を鑑賞した多くの観客が、リアルな試合シーンはもちろん、キャラクター間のドラマについて好評しています。 今回映画を撮影しながら、特に心血を注いで撮影したシーンがありますか?
すべての試合シーンに生々しい臨場感を与えるために努力しました。特に決勝戦は俳優、スタッフ、みんなの汗の結晶だと思います。
Q10.印象深いor好きな日本の作品(映画/ドラマ)はありますか?
中島哲也監督の『嫌われ松子の一生』、また是枝裕和監督の作品も好きです。
Q11.好きな日本の監督や俳優の皆さんはいますか?
今村昌平監督です。
Q12.いよいよ日本でも『リバウンド』が劇場公開されます。日本の観客に一言お願いします。
スラムダンクの国、日本で『リバウンド』が公開されるなんてワクワクするし緊張もします。ぜひ実話のもつ力と感動を日本の観客の方々にも感じていただければ嬉しいです。
映画『リバウンド』は4月26日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー。
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