横浜F・マリノスのMF天野純(32)が、激闘直後の“古巣”同僚との交流に言及した。
横浜FMは4月24日、ホームの横浜国際総合競技場で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で蔚山と対戦。延長120分を終えて3-2(2戦合計スコア3-3)とし、PK戦を5-4と制してクラブ初の決勝進出を決めた。
前半30分までに3得点するも2失点を喫し、さらには1人退場する目まぐるしい展開のなか、天野は延長前半15分から出場。2022年にレンタル移籍でプレーした蔚山とのホームゲームで、横浜FMの“最後の一手”として投入された。
そして、4人目を務めたPK戦では元同僚の韓国代表GKチョ・ヒョヌ(32)の逆を突きキックを成功。トリコロールのファイナル行きに貢献した。
投入時やPK戦では“古巣”サポーターからのブーイングもあった天野だが、試合後には蔚山のとある選手と健闘を称え合う光景が見られた。
その人物とは、かつて韓国代表としてW杯2大会に出場し、ボルトンなど欧州で長く活躍したベテランMFイ・チョンヨン(35)だった。
「前回のアウェイゲームでも試合後に会ったりして、良い友好関係を彼とは築けています。“本当にありがとう”という気持ちと、なんというか、彼らの代わりにやるではないですけど…(イ・チョンヨンと)優勝してくれという会話はしました」
蔚山の選手が早々にピッチを引き上げるなか、イ・チョンヨンは一人残り横浜FMサイドへ向かい、天野やFW宮市亮(31)、MFナム・テヒ(32)などと話を交わした。悔しい敗戦の直後でも、経験豊かな35歳は最後まで勝者をリスペクトする姿を見せていた。
「素晴らしい選手ですし、自分も韓国1年目のときに本当にお世話になったのでリスペクトしています。蔚山で活躍できたのは彼のおかげでもあるので、本当に感謝しています」
韓国王者との激闘を経て、東地区代表としてACL決勝の舞台に駒を進めた横浜FM。天野もイ・チョンヨンら元同僚の思いを背負い、アジアの頂点に挑む。
(取材・文=姜 亨起/ピッチコミュニケーションズ)
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