幸せのかたちは人それぞれだという。だが、禁じられた関係の中で宿った命は、果たして祝福されるべきものなのだろうか。
4月8日、本サイト提携メディア『OSEN』は女優キム・ミニ(42)が第一子となる男の子を出産したと報じた。
キム・ミニは、2015年に公開された映画『正しい日 間違えた日』での共演をきっかけに、映画監督ホン・サンス(64)と不倫関係を始めた。しかし、ホン監督には30年間連れ添った妻がいたため、2人の関係は「不倫」として大きな波紋を呼ぶこととなった。
ホン監督はキム・ミニとの関係を公に認め、妻に対して離婚調停を申し立てたが、妻はこれを拒否。結局、2019年6月、韓国の裁判所は「不倫をした側からの離婚請求は認められない」とする“有責主義”の原則を適用し、ホン監督の離婚請求を棄却した。
それでも2人の関係は続き、旅行や町中でのデートの様子が度々目撃されていた。そんな中、今年1月にはキム・ミニのお腹がふっくらとした様子の写真が撮られ、妊娠が発覚。そして、ついに2人の間に息子が誕生した。
妻との離婚が成立していない現在、息子はホン・サンスの家族関係登録簿には“婚外子”として登録される見通しだが、戸籍整理の行方にも注目が集まっている。
ホン・サンス監督とキム・ミニのような確信犯ではなくても、「恋人だと思っていた男性が既婚者」で、結果的に不倫をしてしまったというケースは少なくない。
女優ソ・ヘリ(旧芸名ハ・ナギョン)も、その被害者のひとりだ。
ソ・ヘリは2021年12月、釜山のある遊興施設で男性Aと出会った。既婚男性であることを知らなかったソ・ヘリは翌年1月から本格的な交際を開始し、2022年4月のベトナム旅行後、A氏の子を妊娠したという。
A氏は妻B氏と離婚したあと、ソ・ヘリと結婚してベトナムに移住しようという具体的な計画を立てていたが、妻が拒否。計画が狂い、遅々として進まない状況にしびれを切らしたソ・ヘリはB氏に直接連絡を取り、Aとの関係や妊娠を暴露したことで裁判に発展した。
2023年7月、釜山地裁・東部支院民事6単独は、妻B氏がソ・ヘリを相手に起こした相姦女損害賠償訴訟で、ソ・ヘリに1500万ウォン(約160万円)の支払いを命じ、原告の一部勝訴判決を下した。その後の控訴審でも、ソ・ヘリの訴えは棄却された。
この一件で「不倫女」のイメージを背負うことになったソ・ヘリは、インタビューで「芸能界への復帰も難しくなり、悪質コメントによって2024年5月以降はネット配信もできなくなっている。特に2024年11月には通帳が差し押さえられ、裁判の間は神経精神科に通いながら薬を服用していたため、生活ができないほど大変」と現状を説明した。
A氏が“罪の代価”を払わなければならず、自身は無念な被害者だとして、「嘆願書に、私のお腹にいた子供は中絶手術で天国に送ったため、心がまだ痛くて裂けそうだと書いた。この子供のためにも無念を最後まで解消したい気持ちだ」と語っていた。
反対に、既婚者である女優が不倫した例もある。
1996年に俳優パク・チョルと結婚した女優オク・ソリは、様々な番組でおしどり夫婦ぶりを見せていた。しかし2007年10月、パク・チョルはオク・ソリに離婚訴訟を起こす。
その過程で、オク・ソリがイタリア人シェフC氏と不倫していたことが明るみに出た。
娘の親権を奪われたオク・ソリは、2011年にC氏と再婚。1男1女をもうけたが、5年で破局し、親権もC氏が持つことに。結果的に、オク・ソリは命がけで出産したすべての子供の親権を失うこととなった。
周囲を巻き込み、傷つけ、時には法の裁きを受ける。そんな不倫関係は、果たして「幸福」と呼べるものなのだろうか。愛という名のもとに交錯する関係とその代償は、時にあまりにも重く、そして残酷な現実を突きつけてくる。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
■【写真】露出事故も…“デートDV疑惑”を認めた女優ハ・ナギョンはどんな人物?
前へ
次へ