ホン・ミョンボ監督の知略が蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)の巡航を導いている。
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蔚山現代は去る3月11日、Kリーグ1(1部)第5節のFCソウル戦で2-1の逆転勝利を果たし、4連勝を飾った。
開幕から4勝1分で1部12チーム中唯一無敗の蔚山現代は、現在まで首位を維持している。
FWオ・セフン(23)の清水エスパルス移籍で1トップ不在に苦しんだ蔚山現代は、ジョージア代表MFヴァレリ・カザイシュヴィリ(29)と元日本代表MF天野純(30)を前線におくゼロトップ戦術を成功させた。
戦術が安定すれば采配も楽になる。適切なタイミングで行う選手交代が、2試合連続で効果を発揮している。
去る6日には、毎シーズンで優勝争いを繰り広げる全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースとの今季初の“現代家ダービー”で、相手が前半早々のU-22選手2人を下げてMFムン・ソンミン(29)、FWソン・ミンギュ(22)の主力攻撃陣を投入すると、ホン・ミョンボ監督もこれに応戦。前半29分に新加入のブラジル人FWレオナルド(24)を投入した。
チームに合流したばかりのレオナルドを大一番で投入する“賭け”に出たホン・ミョンボ監督。ただ、結果としてレオナルドは出場10分後に決勝ゴールを挙げ、チームを1-0の勝利に導く活躍を披露した。
続くFCソウル戦でも采配が見事に的中した。前半4分にFWチョ・ヨンウク(23)のゴールで失点を許した蔚山現代は、後半13分にMFキム・ソンジュン(33)を下げてカザイシュヴィリを投入。するとその2分後、カザイシュヴィリはMFイ・チョンヨン(33)のクロスを巧みに頭で落とすと、最後はFWオム・ウォンサン(23)の同点弾をアシストした。後半44分のレオナルドのPKによる逆転ゴールでもカザイシュヴィリが起点となった。
FCソウル戦ではスクランブルにも容易に対処できる能力の高さを見せた。当時、蔚山現代は先制ゴールを許した直後、センターバックのDFキム・ギヒ(32)が予期せぬ負傷をした。DFイム・ジョンウン(31)は負傷で欠場しており、ほかの同ポジションは先発出場中のDFキム・ヨングォン(32)しかいなかった。
これを受け、ホン・ミョンボ監督は守備的MFのシン・ヒョンミンを投入し、ボランチのMFパク・ヨンウを1列下げ、キム・ヨングォンと3バックを組むようにフォーメーションを調整。すると、3人は期待以上のシナジーを発揮し、チームの逆転勝利を下支えした。
この日、ボランチで出場していたパク・ヨンウ(28)は、急遽最高峰を任されながらも96.4%の高いパス成功率を記録した。キム・ヨングォンも93.8%の成功率だ。
老練な3バックのDFラインによって、ウィングバックに回ったDFソル・ヨンウ(23)、DFキム・テファン(32)の両サイドも有機的に攻撃参加することができた。逆転ゴールとなるPKを得たのもソル・ヨンウだ。
試合後、ホン・ミョンボ監督は「実戦で3バックを試すのは今回が初めてだった。トレーニングでは何度か練習しているが、初めて実戦で試してみた割には良かった」と話した。
蔚山現代はこれまでの5試合で、前線に起用したカザイシュヴィリ、天野、レオナルド、オム・ウォンサンのいずれもゴールを決めており、選手たちの自信も高まっている。就任2年目にしてKリーグに完璧に順応したホン・ミョンボ監督が、持ち前の知略を存分に発揮している模様だ。
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