最近、韓国映画の話題の中心は断然『ソウルの春』(原題)だ。
上映25日で観客動員数800万人を突破し、全国の劇場に再び活気を呼び込んだからだ。
昨年の春と夏、そして秋まで数本の作品を除いては活気を失っていた劇場が、『ソウルの春』によって躍動する気運を味わった。
『ソウルの春』では、ファン・ジョンミン、チョン・ウソン、イ・ソンミン、パク・ヘジュン、キム・ソンギュン、キム・ウィソンら実力派俳優たちのシナジー効果がしっかりと出ていることが実感できる。
中でもチョン・ウソンは実在の人物をモチーフにした首都警備司令官イ・テシンを熱演し、今まで築いた実力を思う存分発揮した。
チョン・ウソンの演技は、年齢を重ねるほど良くなっている。
彼の長年の同僚であるキム・ソンス監督がイ・テシン役を彼に任せたのも、あえて説明する必要はなさそうだ。
多くの観客が知っているように、チョン・ウソンは実にすごい目つきを持つ俳優だ。
若い時よりも深く掘られた目元と眉間のしわを見ていると、しわまで演技をしているという錯覚に陥る。
力を入れた瞳には、深さを計りにくい感情が積もっている。強いが妙に寂しい印象を残したりもする。
映画『KUMIHO/千年愛』(1994年)でデビューしたチョン・ウソンは、いわゆる「青春のアイコン」として一世を風靡した。しかし、彼はロマンスジャンルとイケメンに甘んじなかった。
お金が入ったカバンを追いかけて“一発主義”に陥ったり、理性的で冷徹な大統領になったり、娘を守ろうとする父性愛を発揮したり。チョン・ウソンは言葉で表せない特別なムードでさまざまなキャラクターに挑戦した。顔の筋肉を全体的に使って感情を爆発させる一方、表情とジェスチャーを控えても多くを物語ったりした。
イケメンな顔のおかげで物思いに沈む眼差し、恋に落ちたときめきで表現しやすいが、作品を重ねるたびに“イケメン”という言葉でまとめるにはもったいない、どっしりとした深みが感じられる。
最近行われた韓国メディア『OSEN』とのインタビューで、「今年は数本の特別出演までして、少し休みたいと思っている」と打ち明けたチョン・ウソン。『ソウルの春』で代表キャラクターを更新した彼が、次の作品で再び面白さと感動を与えてくれることを期待する。
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