「私の映画の中で編集作業の完成度が一番高い」。パク・チャヌク監督が映画『別れる決心』(原題、英題は『Decision to Leave』)の自信を示した。
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6月2日午前、東大門JWマリオットホテルで『Decision to Leave』の製作報告会が開かれ、パク・チャヌク監督と女優のタン・ウェイ、俳優のパク・ヘイルが参加した。
パク・チャヌク監督は、5月28日に閉幕した第75回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。2004年に『オールドボーイ』で審査委員大賞を、2009年に『渇き』で審査委員賞を受賞したパク・チャヌク監督は、監督賞で3度目の受賞の喜びを味わった。
なお韓国人監督の監督賞受賞は、『酔画仙』(2002)のイム・グォンテク監督以来20年ぶりだ。
報告会でパク・チャヌク監督は、「ほとんど手にしていないし(笑)。トロフィーの話を聞いて思い浮かぶのは、その前は賞状しかなかったので(直前までパルムドールだけがトロフィーを授与していた)、トロフィーが初めてできた」と冗談交じりで話した。
続けて、「3回目の受賞というよりは、韓国で公開されて観客の方々がどのように見て下さるかが一番重要な問題だ。他の私の映画より、もう少し韓国人だけが理解できる点が多い。タン・ウェイさんの韓国語の台詞が特別だ。それだけに、私には外国の映画祭での受賞よりも、韓国での封切りが一番気になり、緊張する」と話した。
また本作を構想するようになったきっかけについて、「3、4年になったようだが、スウェーデン警察の小説を久しぶりに読みながら、小説の中の警察のように心が深く、相手を配慮する刑事を作ってみたいと思った。チョン・ソギョン作家に久しぶりに再会した時、この話を先に切り出した。その人はどんな雰囲気かというと、例えばパク・ヘイルだと考えてみようと言った」と述べている。
そして韓国ロケについては、「海外メディアとのインタビューで、映画の中の韓国の場所はどこかと聞かれた。特定の場所で撮ったわけでなく、あちこちで撮った。東海と西海で撮影し、同じ場所のように合わせたんだ。私がこの映画で享受できた大きな贅沢の一つだった。この映画は『お嬢さん』のようにセットを作るような映画ではないため、その製作費でロケに通った」と明らかにした。
最後に、「新型コロナウイルス感染症時代で、映画館への出入りがあまりできなかったのではないだろうか。『別れる決心』はサウンドとイメージの両面で本当に精魂を込めた。封切りできずにいたため、後半の作業(撮影後の編集作業)が本当に長かった。果てしなく触って、触った。私の映画では後半の作業において最も完成度が高い。劇場で見るに値する。あえて申し上げる」と締めくくった。
『別れる決心』は、山で起きた変死事件を捜査することになった刑事ヘジュン(演者パク・ヘイル)が、死亡者の妻ソレ(演者タン・ウェイ)に会い、疑いと関心を同時に感じながら始まる話を描いたヒューマンサスペンスだ。6月29日に韓国公開を迎える。
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