今回チェックされるのは“元海外組”のDFイ・ジェイク(22、ソウルイーランドFC)だ。
3月15日に発表された韓国代表のカタールW杯アジア最終予選メンバーには、5人のセンターバックが招集された。
DFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)、DFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)、DFクォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)、DFパク・ジス(27、金泉尚武)、そしてイ・ジェイクがその面々だ。
去る2019年10月以来、約2年5カ月ぶりにA代表に招集されたイ・ジェイクは、2019年のU-20W杯でU-20韓国代表の準優勝に貢献した左利きのセンターバック。
これまでアル・ラーヤン(カタール)やロイヤル・アントワープ(ベルギー)など海外でのプレー経験もあり、現在はKリーグ2(2部)のソウルイーランドに在籍している。
身長は185cmと決して大きくはないが、ビルドアップやスピード面で優れていることから、韓国代表守備陣の次世代を担う選手として期待を寄せられている。
韓国代表率いるポルトガル人指揮官のパウロ・ベント監督は、確固たる一貫性を持った人物だ。自分だけの明確な哲学を持ち、これにあったスタイルの選手を明確な基準で選出する。
その哲学の一つに、「左センターバックには必ず左利きの選手が立たなければならない」というのがある。
後方からのビルドアップを重要視するベント監督は、左利きの選手が左センターバックに位置してこそ、円滑なパスワークができると考えている。実際、パススピードやパスの角度、チーム全体のテンポに及ぼす影響を考慮すると、左センターバックには右利きより左利きの選手を据えた方が良い。
そして、現在の韓国代表で左センターバックの主力を担っているのがキム・ヨングォンだ。キム・ヨングォンが不在の場合、その次のオプションとしてクォン・ギョンウォンが出場する。このパターンはベント監督就任以降、現在までほぼ変わらず定着化している。
ただ、今月の最終予選ではこの2人が懸念要素を抱えている。キム・ヨングォンは累積リーチの状態で、クォン・ギョンウォンも最近ガンバ大阪に合流したばかりで決してコンディションが良いわけではない。
このため、ベント監督は3人目の左利きセンターバックとして、イ・ジェイクを今回招集した。
ベント監督は左利きセンターバックの3番手を探し続けている。今年1月に国内組中心で行ったトルコキャンプでは、新型コロナウイルス感染で一時離脱したクォン・ギョンウォンの代役で、これまで世代別代表経験もなかったDFチェ・ジムク(23)を追加招集した。
それほど、かなり積極的に選手をチェックしている様子だ。この一貫性のなかで、今回はイ・ジェイクがメンバーに選ばれた。
イ・ジェイク自身、過去にもベント監督の招集を受けた経験がある。つまり、指揮官の候補にイ・ジェイクも入っているという意味だ。ベント監督はこれまで自分の目でチェックしてきた選手を、優先してA代表に招集してきた。
今回の招集はイ・ジェイクにとっても良いチャンスだ。海外での挑戦にピリオドを打ち、昨年にソウルイーランドへ加入したイ・ジェイクは、U-20韓国代表時代の“恩師”であるチョン・ジョンヨン監督の下で、2部の舞台ではあるが着実に試合に出場している。
イ・ジェイクは今回のメンバー選出に際し、「光栄な舞台であるだけに、最善を尽くしてチームの役に立てるよう努力したい。経験豊富なヒョン(兄さん)たちからたくさんのことを学びたい」と意気込みを語った。
なお、韓国代表は24日にホームのソウルワールドカップ競技場で行われる第9戦でイラン代表、29日にアウェーのアール・マクトゥーム・スタジアムで行われる第10戦でUAE代表と対戦する。
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