懸念された事態が現実のものとなった。最近、チーム内で新型コロナウイルス感染者が多数発覚した韓国Kリーグ1(1部)の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)で、追加感染者が続々と現れたのだ。
蔚山現代は去る3月11日に行われたKリーグ1第5節のFCソウル戦の翌日、新型コロナ変異株のオミクロン株感染者が続出。12~13日に実施したPCR検査の結果、コーチ陣と選手合計20人近くが感染判定を受けた。
このため、15日にホームの蔚山文殊サッカー競技場で行ったアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフのポートFC(タイ)戦では、エントリーがわずか17人にとどまった。
ベンチの6人も内2人がGKで、フィールドプレーヤーは4人のみ。その中にはプレイングコーチのMFイ・ホ(37)もいた。
先発メンバーでも、横浜F・マリノスからレンタル中のMF天野純(30)をはじめ、MFヴァレリ・カザイシュヴィリ(29)やGKチョ・ヒョヌ(30)などの主力のほか、今季出場がなかったルーキーのMFチェ・ギユン(19)、DFキム・ジェソン(22)を起用。
さらには、本職ウィングのFWユン・イルロク(30)を左サイドバック、本職中盤のMFキム・ソンジュン(33)をセンターバックで起用せざるを得なかった。
選手のみならずコーチ陣でも感染者が発覚したため、試合前のウォーミングアップではホン・ミョンボ監督自らスパイクを履き、選手のために体を動かしたほどだった。
問題は、試合前までの検査で陰性判定を受け、ACLプレーオフに出場した選手の一部が、新たに喉の痛みなどオミクロン株の症状を訴えたことだ。
結局、ACLプレーオフ翌日の16日、新たに7人の感染者が発覚したことがわかった。
蔚山現代は来る20日のKリーグ1第6節で、浦項(ポハン)スティーラースとの“東海岸ダービー”を控えている。
Kリーグを管轄する韓国プロサッカー連盟の内部では、新型コロナが他チームに拡散されることを防ぐため、試合の開催可否について会議を開いたという。
本紙『スポーツソウル』の取材の結果、連盟内部では“リーグ完走”という目標を掲げ、「出場可能選手が最低17人以上(GK1人含む)で、▲新型コロナ検査の結果陰性、▲無症状、▲隔離非対象の要件を満たせば延期せずに開催する」という、今年1月に行われた理事会での合意内容を遵守する方針で固まったようだ。
ただ、新型コロナ感染者が発生したのは蔚山現代だけではない。Kリーグ1第5節で蔚山現代と対戦したFCソウルでも感染者が続出し、現在までに10人の感染が確認されたと伝えられている。
潜伏期間を考慮すれば、さらに他チームでも集団感染が発生する恐れがある。
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