ドイツ・ブンデスリーガ王者バイエルン・ミュンヘンが韓国を“露骨に無視”するミスを犯した。一部からはこれが“意図的”であり、単なるミスではないという主張も出ている。
バイエルンは5月5日(日本時間)、2024-2025シーズンのブンデスリーガ優勝が確定した。同日に2位レバークーゼンがフライブルクと2-2で引き分けたことで、残り2試合時点での優勝が決まったのだ。
これでバイエルンは2季ぶり34度目のブンデスリーガ制覇を達成した。
この優勝は、バイエルンに所属する韓国代表DFキム・ミンジェにとっても大きな意味を持つ。ナポリ時代の2022-2023シーズンにセリエA王者を経験している彼は、欧州5大リーグのうち2つの国で優勝を成し遂げた初の韓国人選手となったのだ。
ところが、バイエルンが優勝の喜びを分かち合う過程で、キム・ミンジェは不思議なほどに姿を消した。
まず、バイエルンの公式YouTubeチャンネルに公開された優勝記念動画のサムネイル画像に、キム・ミンジェの姿がなかった。ヴァンサン・コンパニ監督をはじめ、ジャマル・ムシアラ、ハリー・ケイン、トーマス・ミュラー、レオン・ゴレツカら主力選手が多く写ったなかで、今季チームで2番目に多い出場時間(リーグ戦2289分、全体3593分)を記録したキム・ミンジェは含まれていなかった。
負傷や交代が多く出場時間が2147分のゴレツカや、負傷欠場が続いたダヨ・ウパメカノらはサムネイルにいる一方で、シーズン通して“フル稼働”したキム・ミンジェが除外された点が韓国サッカーファンに疑念を抱かせた。
また、ブンデスリーガの公式YouTubeチャンネルでも同様の仕打ちを受けた。
ブンデスリーガはバイエルンの優勝を祝うアニメ動画を投稿し、そこには13人の選手が登場したのだが、やはりキム・ミンジェの姿がなかったのだ。一方で、今季リーグ戦の出場時間がわずか1285分だったエリック・ダイアーは登場していた。
この“キム・ミンジェ外し”に、韓国国内はもちろん海外ファンからも疑問の声が飛んだ。一部では単なるミスではなく、アジア人選手に対する「意図的な排除」や「人種差別的な意図」ではないかという指摘もなされた。
騒動が広まると、バイエルンは急きょサムネイルを全選手が登場したバージョンに差し替え、翌日にはキム・ミンジェが単独で登場するポスターも投稿して火消しに動いた。韓国向けの公式SNSでも、キム・ミンジェの優勝を祝うメッセージが公開された。
だが、ここにも不備があった。投稿には「キム・ミンジェはブンデスリーガで優勝した初の韓国人選手」と記載されていたが、これが事実ではないのだ。
実際、2018-2019シーズンにチョン・ウヨンがバイエルン所属でブンデスリーガとUEFAチャンピオンズリーグに各1試合出場し、公式な優勝メンバーに名を連ねている。こちらも後に修正されたが、クラブの認識不足と準備不足が浮き彫りとなった。
キム・ミンジェは今シーズン、アキレス腱の痛みに抱えながらプレーを続け、守備の要としてチームを支え続けた。
ドイツメディア『Bavarian Football Works』は3月、「コンパニ監督はキム・ミンジェを“擦り切れる”まで使っている」と報道。キム・ミンジェ本人は「ベンチに座るくらいなら壊れてもいい」と語り、献身的な姿勢を貫いてきた。
そんなキム・ミンジェが優勝を祝福するコンテンツから排除されたことは、もはや単なる“間違い”と見ることはできない。明確な意図があったか否かにかかわらず、その“無視”によって刻まれた傷は決して小さくない。
キム・ミンジェは今シーズンのバイエルンのブンデスリーガ優勝を語るうえで、欠かすことのできない存在だった。彼を“排除する選択”は、クラブ自身の価値と誠実さをも問うものとなっている。
(記事提供=OSEN)
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