完敗の“日韓戦”から1年…W杯出場確定した韓国代表、最終予選ラスト2試合で試す「実利ある冒険」

正攻法を選びながらも実利のある冒険も予告した。どれもすべて、早期にW杯本大会出場を確定したからこそできるものだ。

【動画】韓国代表、“日韓戦”完敗後の悲痛な帰国現場

3月14日、韓国サッカー協会は同月に行われるカタールW杯アジア最終予選グループAの2試合を戦う韓国代表メンバー25人を発表した。

メンバーにはFWソン・フンミン(29、トッテナム)やFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)、FWファン・ウィジョ(29、ボルドー)など欧州組の精鋭が名を連ねたなか、世代別代表にも選出経験のなかったDFパク・ミンギュ(26、水原FC)が今回A代表にサプライズで初招集された。

韓国代表は来る24日にホームのソウルワールドカップ競技場でイラン代表、29日にアウェーのアール・マクトゥーム・スタジアムでUAE代表と対戦する。

去る2月2日の第8戦でシリア代表に2-0で勝利し、10大会連続11回目となるW杯出場を決めた韓国代表。8試合終了時点で6勝2分の勝ち点20とし、首位イラン代表(勝ち点22)に次ぐ2位につけている。

(写真提供=韓国サッカー協会)韓国代表

「我々が首位に立つ」と指揮官意気込み

グループ2位以上に与えられる本大会出場権を確保しただけに、残り試合はこれまで以上に余裕をもって戦うことができるだろう。ただ、チームを率いるポルトガル人指揮官のパウロ・ベント監督は、最精鋭のメンバーを招集することを志した。

その表面的な理由は本大会での組み合わせ抽選のためだ。今回の最終予選2試合とも勝利を収められれば、FIFAランキングの上昇次第で組み合わせ抽選の際にポット3に入る可能性が高い。

もちろん、W杯に出場する国はどこも侮ることのできない強豪ではあるが、ポット4と比較すれば決勝トーナメント進出の可能性は高くなる。

もっとも、ベント監督は現時点で組み合わせ抽選を気にしていない様子だ。むしろ、これまで自身が志向してきた“後方からのビルドアップ”サッカーが完成するまでのプロセスを強調し、一貫性ある姿を唱えてきた。

実際、メンバー発表同日の記者会見でも、「2018年から代表チームを運営してきたプロセスがW杯以降に終了する。選手をチェックして選抜する過程は変わらない。招集も最善の方法で決定され、6月、9月も同じ方式で決定される」と述べていた。

これまで2019年のアジアカップでは準々決勝敗退。ちょうど約1年前の昨年3月には“日韓戦”で完敗を喫するなど、大きく非難を浴びたときもあったベント監督体制の韓国代表だが、最終予選に突入して以降は完璧に近いパフォーマンスを披露している。

(写真提供=韓国サッカー協会)パウロ・ベント監督

それだけに、通算対戦成績で9勝10分13敗と負け越しているイラン代表を破り、グループ首位に浮上することは、韓国代表の現在位置を証明する結果となり得る。また、W杯本大会での好成績に希望を抱くこともできるだろう。

ベント監督は「現時点でそこまでは考えていない。迫る2試合でどうやって相手と戦うかを考えながら、目標達成に向けて色々と熟慮している」としつつも、「イランはフィジカルが強いのはもちろん、戦術面でも疑いのない強い相手だが、我々がイランを阻止してグループ首位に立つ」と強調した。

主力と新戦力の”融合”狙う

前回の最終予選を負傷のため欠場したソン・フンミン、ファン・ヒチャンは今回、代表復帰を果たした。ただ、ファン・ヒチャンはメンバー発表前日に行われたプレミアリーグ第29節エヴァートン戦で先発出場した際、前半16分に負傷でベンチに下がっていたため、合流可否は見守らなければならない。

ソン・フンミンはチームを代表する看板ストライカーであるのはもちろん、精神的な支えでもある。特に、昨年10月にアウェーで行われたイラン代表戦では、韓国代表でパク・チソン以来12年ぶりに同地でゴールを決めてみせた。今度はホームでイラン代表を迎え撃つだけに、自国のサッカーファンの前で得点してくれることに期待が集まっている。

ベント監督は今回、韓国代表のこれまでのカラーを維持しつつも、新戦力の実験も選択した。DFイ・ヨン(35、全北現代モータース)、DFホン・チョル(31、大邱FC)らベテランサイドバックが負傷により招集できないなか、パク・ミンギュ、DFユン・ジョンギュ(23、FCソウル)といった若い選手を呼び寄せたのだ。

ただでさえ現在、優れたサイドバックが不足する“飢饉”に直面している韓国代表。そんななか、ベント監督は比較的負担の少ない今回の2連戦で“未来志向的”なカードを切った。センターバック陣でも、DFイ・ジェイク(22)が約2年5カ月ぶりに招集を受けた。

初招集のパク・ミンギュに関しては昨シーズンからチェックを続けてきたというベント監督。「イ・ジェイク、パク・ミンギュともに技術的に優れた選手だ。彼らが代表でどんなパフォーマンスを見せてくれるかをチェックする良い機会となるだろう」と期待を寄せている。

ベント監督体制の韓国代表では、今年1月のトルコ合宿で初招集されたMFキム・ジンギュ(25、釜山アイパーク)が当時行われた国際親善試合で活躍を披露し、直後の最終予選にも招集。今回も代表に名を連ねるなど、チームの新たなエンジンとして浮上した。

今回の2連戦でも新戦力が自身の役割を果たすのであれば、本大会を控えてチーム内の競争力をアップグレードさせるのに大きな力になる見通しだ。

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