「勝利したが、気持ちよく笑うことができなかった」
韓国プロ野球の試合会場で発生したファン死亡事故。数日間の中止を経てシーズンが再開されたが、選手たちは今もショックを隠せない様子だ。
4月2日、光州(クァンジュ)KIAチャンピオンズフィールドで行われたサムスン・ライオンズ対KIAタイガースはビジターのサムスンが4-2で勝利した。
サムスンの「4番・指名打者」で出場したパク・ビョンホ(38)は2安打2打点1得点の活躍。4回に左前安打で出塁すると、後続打者2人の二塁打と適時打でホームベースを踏んだ。8回には一死一、二塁のチャンスで右中間を破る2点二塁打を放ち、チームを勝利に導いた。
韓国プロ野球史上58人目の二塁打通算250本を達成し、さらには史上23人目の通算3000塁打にも到達したパク・ビョンホだが、その表情に笑顔はなかった。先月末に発生したファン死亡事故のためだ。
去る3月29日、NCダイノスの本拠地・昌原(チャンウォン)NCパークで行われたLGツインズ戦では落下物によるファン死亡事故が発生した。
当時、球場内では三塁側観客席の売店付近の上部17.5mの高さの壁面に固定されていた重さ約60kg、長さ2.6m、幅40cmのアルミ製ルーバーが落下し、観客3人が巻き込まれた。被害者のうち、頭部に重傷を負った20代女性が搬送先の病院で緊急手術を受けるも、事故2日後の31日午前に息を引き取った。
「選手たちも衝撃を受けるしかない事故だ。韓国の野球の歴史上でこんなことがなかったのではないか。今日は勝利したが、気持ちよく笑うことはできない」
試合後の取材でそう語ったパク・ビョンホは、「昨日も試合が中止になった。練習を気持ちよくすることができなかった。あまりにも残念な事故だ。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、ご遺族の方々にも心からお悔やみを申し上げる」と伝えた。
そして、「最も重要なことは、本当に今後このようなことが二度と起きてはならないということだ。自治体やKBO(韓国野球委員会)にはしっかり対応していただきたい」と強い口調で訴えた。
球場でファンが命を落とすという前代未聞の事態が起きた。ファンはプロ野球の“根幹”となる存在だ。すでに国内では「怖くて球場に行けない」という声も上がっている。再発防止のため実質的な措置を執り、球場が安全であることを明確に知らせなければならない。
事故が発生した昌原NCパークでは、2日までに問題となったアルミ製ルーバー230枚の点検をすでに完了した。今後は球場全体の安全点検に入る。
他球場でも緊急点検が実施されており、同日試合が行われた光州KIAチャンピオンズフィールドでは、親会社の安全管理部署も現地で球場をチェックした。
いま最も重要なのは“責任の所在”ではなく、事故の収拾と再発防止の徹底だ。
韓国プロ野球の代表的選手であるベテランのパク・ビョンホが公の場で声を上げた。KBO、自治体、球場を管理する施設管理公団など、すべての関係機関が彼の発言に耳を傾けなければならない。
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