20代女性がこの世を去った韓国プロ野球会場のアルミ製ルーバー落下事故。事故球場を本拠地とする球団が「最善を尽くす」と繰り返す一方、同球場の管理団体は「責任の明確な線引き」を求める姿勢を見せている。
去る3月29日、NCダイノスの本拠地・昌原(チャンウォン)NCパークで行われたLGツインズ戦では試合中に施設物の落下事故が発生した。
高さ17.5mの壁面から重さ約60kg、長さ2.6m、幅40cmのアルミ製ルーバーが落下し、被害に遭った観客3人のうち、頭部に重傷を負った20代女性が亡くなった。
NCは病院に職員を送り、現場で状況把握に努めている。ただ、遺族の希望によって葬儀場を弔問することはできていない。
4月1日には緊急安全点検を始めた。外部の点検業者に依頼し、再発防止へと動き出している。球団関係者は「安全のために最善の努力を尽くす。被害者とご遺族に対しても最善を尽くす」と強調した。
一方、昌原NCパークの管理主体である昌原施設管理公団は1日に報道資料を発表したが、その中に“妙な”一文が含まれていた。
「昌原NCパーク4階の事務室の窓付近に固定されている、エクステリアなどの用途で設置された付着物(アルミ製ルーバー)が落下し、3人の負傷者が発生した」
「“使用・収益許可契約書”において、昌原NCパークの日常的な維持・管理運営はNC側が引き受け、主要な構造部の改修・補修のみを公団が履行している」
「落下した付属物は(昌原管理公団の)点検対象に含まれない」
本紙『スポーツソウル』取材に応じた公団関係者は、「ルーバーがどのように設置されたのか、どんな理由で設置されたのかなどは公団はわからないい。昌原市の体育振興課が施工業者と契約し、竣工まで終えた後、管理主体として我々を選定した。市に確認しても、なぜ設置されたのかわからなかった」と伝えた。
また、「点検項目にルーバーは含まれていない。建築法上では梁や柱、壁体などが対象だ。日常的な維持・管理の責任はNCにある。観客が入り、収益を得ているだろう。安全管理は法の有無にかかわらず、(NCが管理するのが)基本なのではないか」とコメントした。
別の関係者は「結局のところ、今の争点は“ルーバー”だ。我々は法的に明らかになっている部分だけを申し上げるしかない」としつつ、「我々がまったく関係がないだと言うわけではない。警察の捜査が始まり、国土交通部の調査結果も見なければならない。契約書などの資料はすべて提出した。(事故の最終的な)管理責任がどこにあるかは警察が判断する」と説明している。
さらに、「NC側でも定期点検をしていたのではないか。球団で点検をする際、ルーバーも確認したのかを見るべきではないかと思う。(NCが)実際に球場を占有しているからだ」と付け加えた。
昌原施設管理公団の関係者たちは、「NCに責任がある」と明言こそしなかったが、その捉えてもおかしくないニュアンスの見解を伝えた。特に、事故原因となったルーバーについては公団と関係がない点を強調し、「外部の装飾」とまで言い放った。「捜査結果が出るまでは明確なことを言うことは難しい」と、矢面に立つことを回避しているようにも見える。
ルーバーが「どのように」「なぜ」設置されたのかが、事故の争点であることは間違いない。
ただ、NCダイノスは元々建てられていた球場を“後から”本拠地としたため、わからないという。公団は昌原市が設置したと主張したが、市に問い合わせても「わからない」と返されたという。まさに、責任が“迷走状態”にある。
だが、今本当に注目すべきはそこではないだろう。
まだ20代と若い女性が、あまりにも悲惨な事故で命をとしたのだ。遺族は想像を絶する悲しみに包まれていることだろう。
優先すべきは、傷ついた遺族や被害者たちの心に寄り添う姿勢ではないだろうか。各所が何とか責任を逃れようとしている様子が見られ、ただただ苦々しい思いだけが残る。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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