でか美ちゃんも「ポップさとは裏腹にヘビーさも」と好評!『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』公開記念イベント

2023年11月14日 映画

映画『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の日本公開を今週金曜(11月17日)に控え、SPECIAL NIGHTが渋谷パルコ9FのSUPER DOMMUNEで実施された。

【動画】『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』予告

イベントには映画評論家の町山智浩(リモート参加)とタレント・歌手のでか美ちゃん、映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラ、DJのSUGIURUMNが参加し、作品に関するトークを繰り広げた。

先んじて本作を鑑賞したでか美ちゃんは「どのカットもこだわりを持っていて、色彩やコントラストが美しかった。ストーリーはわかりやすさがある中で、貧富の貧に焦点を当てていたりして、見た目のポップさとは裏腹に物語のヘビーさもあって深みを感じた」と絶賛。

でか美ちゃん
でか美ちゃん

続いて町山は「施設から脱出するところから始まり、ゴア映画が始まるのかと思いきやホノボノとした日常的なところで話が進む。普通だったら軍が出てきたりする展開もあるのに、町の駐在さんがモナ・リザを追いかけたりして規模が小さい。超能力もSFXを使わずに表現しているので安上がり!」と評価。SUGIURUMNも「超能力が出てくるのに、物語はほっこり系。あ、良い話なんだ…と驚いた。音楽もハウス系でカッコいい」と気に入っていた様子だった。

本作で超能力を持つ主人公モナ・リザを演じたのは、Netflix『バレリーナ』(23)で注目を浴びたチョン・ジョンソ。でか美ちゃんは「瞳の奥に何も見えない感じが凄い。ご本人自身もミステリアスな雰囲気をまとっていて私生活が見えてこない」と評し、奥浜も「背景がセリフで語られないのにモナ・リザを表現できる凄みがあった」と感心した。

SUGIURUMN
SUGIURUMN

町山は「『バレリーナ』の役も背景が明かされなかったので、続けて観ると『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の前日譚のようにも受け取れる。実はチョン・ジョンソはデビュー作『バーニング 劇場版』(18)でも謎の少女役だった。不思議な役が似合う俳優であり、英語が喋れるのも強みだと思う」とストロングポイントを挙げていた。

モナ・リザと出会う貧乏ダンサーのボニー・ベルを演じたのはケイト・ハドソン。『あの頃ペニー・レインと』(00)で一躍注目されたクール系美女だが、でか美ちゃんは「今回は文字通り体を張っている。あんな見た目になるなんて…。ちまちまとお金を巻き上げようとする姿に、日々精いっぱい生きている女性としての姿が現れている」とヘビーな姿に絶句。町山も「『あの頃ペニー・レインと』当時はまさに妖精のようだったが、今回はまさにホワイトトラッシュ的な役どころ!よくこんな役をやったなと…。登場した時、彼女だとはわからなかった」と驚いていた。一方、『あの頃ペニー・レインと』以来のケイトファンという奥浜は「ファンとしては色々な役を演じるケイトを見られるのは嬉しい。ボニーの描き方も奥深くて多面的だったので、アミリプール監督ならではの女性像がしっかりと現れていたと思う」とその俳優魂に震えていた。

監督を務めるアナ・リリ・アミリプールは、オリジナリティ溢れるセンスを発揮していることから、“次世代のタランティーノ”という呼び声も高い。ヴェネチア国際映画祭では、最優秀サウンドトラック賞、サウンドトラックスター賞を受賞するなど音楽センスも際立っている。町山は「ゴブリン系の80年代イタリアンホラー的な音楽がずっと流れていて、イタリア系のミュージシャンを起用している。物語の舞台であるニューオリンズといえばジャズとブルースなのにそこらへんは使用せず、イタロディスコとかジョルジオ・モロダー系。不思議な趣味の持ち主だと思う」と音楽センスに脱帽。でか美ちゃんも「エンドロールを見た時に、曲数の多さに驚いた。それだけ音楽が作品にフィットしていたということ。選曲理由を知りたい」と興味津々だった。魅力あふれるキャスト陣、作品を彩る音楽など新鋭監督が魅せたこだわりといった本作の見どころを存分に語ってくれた。

奥浜レイラ
奥浜レイラ

でか美ちゃん、奥浜レイラ、町山智浩、SUGIURUMN

トークイベント後にはRISING SUN ROCK FESTIVALやFUJI ROCK FESTIVAL等にも出演し世界的に活躍するアーティストSUGIURUMNがDJプレイを行った。『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の世界観をイメージした楽曲を披露し、最後にはナット・キング・コールの名曲「モナ・リザ」で、大盛り上がりのイベントを締めくくった。

トークイベントを終えたでか美ちゃんから熱いコメントも!

――大盛り上がりのトークイベントを終えた感想は?

映画をサブスクで見るのも素晴らしいけれど、映画館でほかの人と同じ作品を観て他人と感想を交わすのが、その作品が自分の中で特別になる手順として私の中にあるので、今回のイベントで登壇者の皆さんとそれが出来たのが嬉しかったです。

――チョン・ジョンソのようにハリウッドデビューの野望は?

端役で映画に出たり舞台に出演したりはしていますが、お芝居はちゃんとチャレンジできていない分野です。自分からやりたい!という気持ちは正直なくて、観る専門でいたいです。自分で書いた歌詞でさえライブで間違えるような人間なのでセリフ覚えも怪しいので、モナ・リザちゃんくらいセリフの少ない役であるならば…頑張ります(笑)!

――欲しい超能力は?

ありきたりかもしれませんが、瞬間移動!私はアイドルが好きなので休日はライブを見に行くことが多いです。旅の醍醐味として移動時間も大切なのかもしれませんが、ライブをはしごする身としてはそこを削りたい!瞬間移動さえできたら趣味と仕事の両立がよりはかどるのに…といつも思っています。

――日本公開に向けてメッセージをお願いします

『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』は、一人で観るのも勿論楽しいですがみんなで観に行ってワイワイするのにも向いているタイプの映画だと思います。キャラクターがそれぞれ粒だっているので、自分はどのキャラクターが好きなのか、意見が分かれそうでそれをみんなで言い合うのも楽しいと思います!

『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』は11月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国公開。

監督・脚本:アナ・リリ・アミリプール

出演:ケイト・ハドソン、チョン・ジョンソ、クレイグ・ロビンソン、エド・スクライン、エヴァン・ウィッテン

2022年/アメリカ/英語/106分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Mona Lisa and the Blood Moon/字幕翻訳:高山舞子/G

提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ

© Institution of Production, LLC

◇チョン・ジョンソ プロフィール

1994年7月5日生まれ。幼いころからカナダと韓国を行き来し、カナダで中学校を卒業し高校の途中で韓国に帰国した。演技のスクールに通いながら、事務所を見つけた。事務所との契約から3日後に『バーニング 劇場版』の主演に抜擢され、華々しいデビューを飾る。その後、Netflix映画『ザ・コール』でヨンスク役を演じ、新人らしくない演技力で話題となり、Netflix『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』でトーキョー役を演じて、知名度を上げた。

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