セクハラ騒動の俳優オ・ダルス、活動再開…2年越しに日の目を見る映画『隣人』とは

2020年11月12日 映画 #韓国映画

『7番房の奇跡』『国際市場で逢いましょう』『タクシー運転手』『弁護人』『10人の泥棒たち』など数々の韓国映画に出演したが、セクハラ疑惑で活動を全面中断していた俳優オ・ダルスが騒動から2年ぶりに『隣人』(原題)でスクリーンに復帰する。

【注目】セクハラ疑惑のオ・ダルス「一方的な非難を受けたが…」

11月11日、ソウル龍山(ヨンサン)区のCGV龍山アイパークモールでは映画『隣人』(イ・ファンギョン監督)のマスコミ試写会が行われた。

『隣人』は左遷の危機に立たされた盗聴チームが、自宅隔離となった政治家の自宅の隣に偽装で引っ越し、昼夜監視するというストーリーの作品だ。映画でオ・ダルスは野党総裁に扮し、俳優チョン・ウは盗聴チームのチーム長を演じる。

『隣人』は、オ・ダルスの2年ぶり復帰作ということで注目を集めた。また、この日行われた懇談会に騒動以来となるオ・ダルスが参加し、彼がどんな話をするのかも大きな関心事だった。

オ・ダルス

「もし映画が公開されなかったら…」

黒のスーツを着て登場したオ・ダルスは、固い表情で舞台に立った。感想を問う質問にオ・ダルスは、「少し前に映画を観たが、誰よりも心が重かった。映画を観て、3年前に苦労した俳優の方々、監督、スタッフたちの苦労に感謝している」と話を切り出した。

『隣人』は2018年に撮影が終了したが、オ・ダルスが過去のセクハラ疑惑に包まれ、公開が無期限延期となった。

オ・ダルスは「映画が公開されなかったら、一生心の重荷を下ろすことができなかったと思う。映画で見られるように、家族がどれほど重要なものか。この間、家族と農業をしながら暮らしていた」と、近況を伝えた。

オ・ダルス

また、「彼ら(家族)がいつもそばにいた。単純に考えようと、ずっと農作業をしたようだ。人間は単純に考えて生きるべきだ、いつか映画が公開される日が来ると祈りながら過ごした」とし、「幸運があり、不幸もあって、良かったこともある。本当にありがたいことに公開日が決まり、感謝するばかりだ」と述べた。

映画で演じたキャラクターについては、「野党総裁である以前に、ひとつの家庭の父であり、一般の人々とまったく変わらない隣人の姿だ。自宅で軟禁を受けながら、家族と時間を過ごす平凡な人物を描きたかった」と淡々と話した。

韓国映画に欠かせない俳優

それについてイ・ファンギョン監督は、「俳優オ・ダルスはいつもラーメンだと思っている。ラーメンのような方だ。飽きない、食べても食べても飽きない。そのときにその味がそのまま出てくる」とし、「食べると太るようだが、食べないとまた惹かれるラーメンのような方だ。常に愛しているし、尊敬している」と話した。

イ・ファンギョン監督

共演したチョン・ウは、「韓国映画からオ・ダルス先輩を抜いて考えてみると、成り立つものがない。感謝している。観客の立場からスクリーンに映される先輩の姿を見ながら、感謝の思いが浮かんだ」と愛情を表わした。

オ・ダルスは今後の計画について、「先日撮った自主映画『要視察』(キム・ソンファン監督)は、午前9時に家を出て午前1時まで撮影した。一日も休まず、1週間かけて撮った。とてもおもしろかった。今後の計画はまだない。映画を良く見てもらえれば。もう一度、俳優たちとスタッフらに申し訳なく、感謝している」と述べた。

チョン・ウ(左)とオ・ダルス
イ・ユビ

劇中、人間味にあふれ、正義感のある総裁に扮するオ・ダルスの演技は、やはり間違いがなかった。しかし彼の復帰に対して、さまざまな視線が存在していることも事実だろう。捜査終了で嫌疑なしとなったため、復帰しても問題ないという意見と、道義的に時期尚早という声が入り乱れている。

いずれにしても、オ・ダルス本人の言葉のように「永遠に光を見ないところだった」映画『隣人』は、紆余曲折の末、観客に会う準備を終えた。作品がオ・ダルスの騒動を超えて、観客の心をとらえることができるか注目される。『隣人』は11月25日に韓国で公開される。

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