FIFAが名場面に挙げたのは、劇的な展開となったグループH第3節の韓国代表対ポルトガル代表だ。
当時、第2節までを1分1敗とし、決勝トーナメント進出が絶望的だった韓国は、すでにグループ突破を決めていたポルトガルと対戦。試合は前半早々にポルトガルが先制するも、前半のうちにDFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)のゴールで韓国が同点に追いつく。
同点のままでは敗退となる韓国だが、試合終了間際にドラマを生んだ。後半アディショナルタイム、相手コーナーキックのこぼれからFWソン・フンミン(30、トッテナム)が独走で敵陣まで攻めると、最後は複数の相手DFに囲まれながらも股抜きでスルーパスを送り、走り込んだFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)がダイレクトでゴールネットに流し込んだ。
このゴールで2-1の逆転勝利に成功した韓国は、グループ2位での決勝トーナメント進出に成功。12年ぶりのW杯ベスト16入りという快挙を劇的な形で成し遂げた。“勝利”だけがベスト16進出のための絶対条件だったため、韓国国民に多くの感動をもたらした。
FIFAは「一時グループ最下位に落ちた韓国がベスト16入りを果たすには希望が必要だった。幸いにもキム・ヨングォンのゴールで同点に追いつき、試合終盤にファン・ヒチャンの逆転ゴールが決まった。韓国の選手は試合後、ハーフウェイライン付近に集まってウルグアイ対ガーナの試合を見守った後、グループ突破を喜んだ」と、当時の状況を説明した。
韓国はこれに先立ち、通信社『ロイター』が選ぶカタールW杯の10大名場面の一つにも選ばれたことがある。ポルトガル戦終了直後、全員で集まりスマートフォンでウルグアイ対ガーナの試合を見守った場面が選出された。
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