「(イ・)スンウがゴールを決めて、アントニオ・コンテ監督の目の前でダンスセレモニーを披露してほしい」
コンテ監督に「イ・スンウの存在を印象付ける」という、チームKリーグ率いるキム・サンシク監督のユーモアある覚悟が伝わってきた。
トッテナムと対峙するキム・サンシク監督が目星をつけた戦術のひとつが、まさに“イ・スンウの欧州送り”だ。
本日(7月13日)、ソウルワールドカップ競技場で行われるトッテナム対チームKリーグの親善試合を前に、前日の12日に記者会見が行われた。チームKリーグからはキム・サンシク監督のほか、FWイ・スンウ(24、水原FC)、DFキム・ジンス(30、全北現代モータース)が出席した。
会見の冒頭で、キム・サンシク監督はチームKリーグへの期待感を表した。
「監督を務めることができて心から嬉しく、光栄に思う。Kリーグを代表する選手たちとともにでき、世界的なチームであるトッテナムを相手にするという、意義深い日になりそうだ」
今回の一戦には見どころが多い。何より、親善試合であるだけに、ファンの注目を集めるセレモニーが披露されるかどうかに関心が寄せられている。そして、その中心にはイ・スンウがいる。
バルセロナ下部組織出身で、かつてエラス・ヴェローナ、シント=トロイデン、ポルティモネンセに在籍し、今季からKリーグに初参戦したイ・スンウは、得点を決めるたびに愉快なダンスパフォーマンスを披露し、Kリーグファンを楽しませている。サッカーファンのなかには、「イ・スンウのダンスが見たいから観戦に行く」という声も出るほど、イ・スンウの存在感が興行面に影響を与えている。
ただ、今回の親善試合に向けてセレモニーが準備できているかを問われると、イ・スンウは「まだチームに合流したばかりなので、セレモニーのことは考えられていない」と答えた。
これに対しキム・サンシク監督は、“対トッテナムの戦術の一つ”として、「スンウがもし得点できれば、コンテ監督の前でダンスセレモニーを披露してほしい」とし、「スンウを再び欧州に送れるよう、十分な出場時間を付与できる戦術を駆使して、得点の機会を与えたい」と笑顔で語った。
トッテナム対チームKリーグのもう一つの見どころは、FWソン・フンミン(29)とKリーガーの直接対決だ。韓国代表ではなく、トッテナムのユニホームを着たソン・フンミンと対峙することになる。
同じ1992年生まれでソン・フンミンとは親友同士である、元アルビレックス新潟のキム・ジンスは、「フンミンとの出会いを期待している。フンミンに“相手しなければならない選手は誰になるのか”と聞いたとき、“自分になるかもしれない”と話していた。敵同士で会うのは(キム・ジンスがホッフェンハイム、ソン・フンミンがレバークーゼン所属時の)ブンデスリーガ以来初めてだ。お互いケガをせずに頑張りたい」と期待を寄せた。
そのソン・フンミンも、トッテナム側の前日記者会見に出席した際には、「トッテナム所属選手として韓国でプレーできるのは、本当に良い機会だと思う。イベント性のある試合であるとはいえ、昨シーズンを勝利で締めくくったように、今季も勝利でシーズンを始動したい。持っているものすべてをお見せできるようにしたい」と話していた。
チームKリーグの3人とも、自軍の勝利を望んだ。キム・ジンスは「選手として勝ちたいのは当然だ。厳しい試合になると思うが、1-0でも2-0でも良いから勝ちたい」とし、イ・スンウも「本番の試合でないとはいえ、負けたいという気持ちはない。個人的な願いとしては、ゴールがたくさん決まって、観戦に来た方々に面白い試合を見せられることだ。理想は、3-2でチームKリーグが勝ちたい」と語った。
キム・サンシク監督は当初、「2-2の引き分けになる」とスコアを予想していたが、選手2人の“必勝宣言”を聞き、慌てたように「2-0でコンテ監督を下したい」と、前言撤回して笑いを誘っていた。
なお、「Coupang Playシリーズ」第1戦のトッテナムとチームKリーグの親善試合は7月13日20時キックオフ。この試合はCoupang Playでのみ視聴することができる。チームKリーグには元日本代表MF天野純(30、蔚山現代)も選ばれている。
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