W杯出場に王手がかかった韓国代表が、中盤の主力を欠いて大一番を戦うことになった。
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韓国代表は本日(2月1日)、中立地UAE・ドバイのアール・ラーシド・スタジアムでシリア代表とのカタールW杯アジア最終予選第8戦を戦う。
この試合で勝利すれば、韓国は残りの試合結果と関係なく、W杯本大会への出場が決定する。
ここまで順調な戦いぶりを見せてきた韓国だが、シリア戦に向けて不安材料もある。それが、かつて京都サンガF.C.、ジュビロ磐田、ヴィッセル神戸で活躍した元Jリーガーで、現代表の中心選手であるMFチョン・ウヨン(32、アル・サッド)の欠場だ。
チョン・ウヨンは去る27日に行われたレバノン代表戦でイエローカードを受け、累積警告によりシリア戦に出場することができない。
4バックの一列前で韓国の守備を支え、攻撃面でも後方からのビルドアップで起点となる役割を果たしてきたチョン・ウヨンは、チーム率いるパウロ・ベント監督からもその守備力と正確なキックを評価されてきただけに、彼の不在は痛手となる。
ただ、代わりとなる選手はいる。韓国が1月に実施したトルコキャンプで、自身の実力を完璧に見せつけたMFペク・スンホ(24、全北現代モータース)、MFキム・ジンギュ(24、釜山アイパーク)だ。
バルセロナ下部組織出身のペク・スンホは、これまでスペインのペララーダ、ジローナ、ドイツのダルムシュタットを渡り歩き、昨季に全北現代(チョンブク・ヒョンデ)加入を通じてKリーグに初参戦。すると、すぐさま主力の座を掴み、25試合4ゴールの活躍でチームの5連覇となるリーグ優勝に貢献した。
この好調ぶりが評価され、昨年10月のW杯最終予選で2年ぶりに代表復帰。以降、着実にベント監督の招集を受け、トルコキャンプ中にはアイスランド代表、モルドバ代表との国際親善試合で先発出場し、いずれの試合でもゴールを決める決定力を見せつけた。豊富な運動量はもちろん、直接フリーキックによる得点も強力な武器として存在感を放った。
昨夏の東京五輪にU-24韓国代表の一員で出場したキム・ジンギュは今回、サプライズで招集を受けた選手だ。
所属チームの釜山(プサン)が2部でありながら、トルコキャンプで初めてA代表に招集されると、前述の国際親善試合では2試合とも先発フル出場を果たし、ペク・スンホ同様いずれの試合でもゴールを決めた。
A代表デビューから2試合連続でゴールを決めたのは、2005年のFWパク・チュヨン(36、蔚山現代)以来約16年ぶりのことだ。
キム・ジンギュは得点面だけでなく、創意性やチームメイトとの連係プレーなど、あらゆる面で目立った。これらが評価され、W杯最終予選を戦うメンバー26人にも生き残った。
ベント監督は前回のレバノン戦、FWソン・フンミン(29、トッテナム)とFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)の不在による攻撃面の不安を、FWファン・ウィジョ(29、ボルドー)、FWチョ・ギュソン(24)の2トップ起用で払しょくした。実際、試合でもファン・ウィジョのアシストからチョ・ギュソンが決勝点を決めた。
シリア戦ではさらにチョン・ウヨンもいないだけに、中盤が担う役割がいつも以上に大きくなる。MFファン・インボム(25、ルビン・カザン)の出場が有力視されるなか、彼のパートナーとしてキム・ジンギュ、ペク・スンホのどちらが出場するかに注目が集まっている。
チョン・ウヨン不在時のプランとして、ファン・インボムにチョン・ウヨンのポジションを任せ、より攻撃的なキム・ジンギュをファン・インボムの本来のポジションに起用する可能性もある。
いずれにしても、チョン・ウヨンの不在でキム・ジンギュとペク・スンホには絶好のチャンスが訪れた。勝てばW杯出場決定の大一番、ベント監督はどんな采配をふるうのだろうか。
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