国内組最後の“ショーケース”がいよいよ幕を開ける。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は本日(7月20日)、豊田スタジアムで19時にキックオフするE-1サッカー選手権の初戦で中国代表と対戦する。
韓国は中国相手に通算20勝13分2敗と、圧倒的優位に立つ。前回の2019年大会でも韓国が1-0で勝利した。
新しい実験台の場だ。今大会は国際Aマッチ期間中の開催ではないため、FWソン・フンミン(30、トッテナム)やFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)、FWファン・ウィジョ(29、ボルドー)など、欧州組は一人も呼ばれていない。
そのため、Jリーグで活躍するDFクォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)を除けば、メンバー26人中25人が国内組という構成となった。彼らにとっては事実上、カタールW杯前最後のアピールチャンスだ。
最も“脆弱”とされるポジションは守備陣だ。
今回、DFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)は欧州組のため招集されず、元ガンバ大阪のベテランDFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)は胃腸炎のため招集除外となった。また、A代表初招集として合流予定だった元V・ファーレン長崎DFイ・サンミン(24、FCソウル)も、新型コロナウイルス感染のためメンバーを外れた。
キム・ヨングォンの代替選手となるDFイ・ジェイク(23、ソウルイーランドFC)は、19日午前に韓国を出国し、代表チームに合流した。一方、イ・サンミンの代替選手となるDFパク・ジス(28、金泉尚武)は、軍人の身分のため海外出国関係の手続きを行った関係で、本日(20日)午前に韓国を出国。中国戦の出場はほぼ不可能とみられる。
このため、センターバック陣はひとまずクォン・ギョンウォンが軸となる見通しだ。中国戦ではDFチョ・ユミン(25、大田ハナシチズン)、DFキム・ジュソン(21、金泉尚武)、イ・ジェイクのいずれかが、クォン・ギョンウォンとコンビを組むものと予想される。
ただ、3人は皆国際Aマッチ出場の経験がない。6月のU-23アジアカップにも出場していたキム・ジュソンは今回がA代表初招集であり、Kリーグ2(2部)からの招集となったチョ・ユミン、イ・ジェイクも、今大会がA代表デビューとなる可能性がある。
ゴールキーパーも同様だ。不動の正守護神であるGKキム・スンギュ(31、アル・シャバブ)が不在のため、まずはGKチョ・ヒョヌ(30、蔚山現代)の出場が最有力だろう。GKキム・ドンジュン(27、済州ユナイテッド)、GKソン・ボムグン(24、全北現代モータース)がA代表デビューを飾れるかも関心事だ。
MFチョン・ウヨン(32、アル・サッド)のいるアンカーの空白も避けられない。6月のAマッチ4連戦当時も、韓国はチョン・ウヨン離脱以降、後方からのビルドアップや相手のカウンター遮断で困難を経験した。本来は10カ月ぶり招集となったMFソン・ジュンホ(30、山東泰山)の活躍が期待されていたが、負傷によるメンバー除外で悩みはさらに深まった。
キーパーからDFライン、中盤の底まで後方に不安の多い今回の韓国で、最も信頼を置ける選手には断然、MFファン・インボム(25、FCソウル)を挙げられる。
ベント監督体制で着実に起用されることから“皇太子”とも呼ばれるファン・インボムは、前回の2019年大会に出場した際、日本代表戦で決勝ゴールを決め、大会MVPに輝くなど、E-1選手権との縁が深い選手だ。
そのため、ファン・インボムを中盤で補佐するMFキム・ドンヒョン(25、江原FC)、MFキム・ジンギュ(25、全北現代モータース)、MFペク・スンホ(25、全北現代モータース)の競争も激しくなる見通しだ。現時点ではペク・スンホが一歩リードしていると言える。
2列目のポジション争いも激化が予想される。元FC東京のMFナ・サンホ(25、FCソウル)、そして元欧州組のMFクォン・チャンフン(28、金泉尚武)はある程度評価を得ているものの、この間、負傷などにより出場機会が減っていたMFソン・ミンギュ(22、全北現代モータース)にとっては、今大会が最後の機会になるだろう。
このほか、ベント監督が新たに招集したMFコ・ヨンジュン(21、浦項スティーラース)、MFカン・ソンジン(19、FCソウル)、MFイ・ギヒョク(22、水原FC)など、初招集の若い新戦力も、チャンスを虎視眈々と狙っている。
なお、韓国は本日中国と対戦した後、24日に香港、27日に日本と対戦する予定だ。
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