FWソン・フンミン(29)をはじめとするトッテナムの選手たちの登場に、ソウルワールドカップ競技場が熱気に沸いた。
7月10日午後に韓国に入国したトッテナムは、翌11日、ソウルワールドカップ競技場で公開練習を実施した。
トッテナムは今後、13日にソウルワールドカップ競技場でチームKリーグ(Kリーグ選抜)と対戦した後、16日に水原(スウォン)ワールドカップ競技場でセビージャと対戦する。今回の韓国ツアーには、ソン・フンミンやFWハリー・ケイン(28)、新加入のFWリチャーリソン(25)など28人の選手が帯同している。
公開練習では、予定時刻の6時より20分遅れてトッテナムの選手たちが登場した。会場に集った6000人近いファンたちは、トンネルから選手たちが登場するやいなや、大きな歓声で彼らを出迎えた。
ピッチに足を踏み入れたトッテナムの選手たちは、観客席のファンに挨拶を交わしていたが、特にはケインがファンの歓呼に積極的に応えていた。その後、トレーニングが本格的にスタートした。
練習中、最も目立ったのはやはりソン・フンミンとケインのコンビだった。ストレッチはもちろん、ボール奪取の練習でもソン・フンミンとケインは一緒だった。練習途中も一緒に水を飲みながら、トレーニングの内容や過程を2人で共有していた。
練習の合間も、ソン・フンミンはときどき観客席に手を振ってファンを喜ばせた。会場に駆け付けたファンは誰もが「ソン・フンミン!」「ケイン」など名前を叫び、自分のスマートフォンに選手たちの姿を収めようと必死だった。練習の強度が高まるほど、歓声はさらに大きくなっていった。
無表情で練習を見守っていたアントニオ・コンテ監督も、スクリーンに自身の姿が写ると、手を振ってファンに挨拶した。
最初のセッションが終了すると、ファンはトッテナムの選手に大きな拍手を送っていた。
2回目のセッションでは、MFライアン・セセニョン(22)、FWブライアン・ヒル(21)、MFオリヴァー・スキップ(21)、FWルーカス・モウラ(29)ら控えと、リチャーリソンら新加入選手がチームを組んだ。一方では、ソン・フンミン、ケイン、MFピエール・エミール・ホイビュルク(26)らがチームを組んだ。
コンテ監督は練習中、気に入らない部分があれば逐一中断し、選手たちに指示を飛ばすなど、積極的にトレーニングを指揮していた。ときには自らパスを出し、選手のトレーニングをサポートした。コンテ監督は「Attack!」「GO!」などと叫び、選手に発破をかけていた。
ウォーミングアップを皮切りに、ロンド、ビルドアップ、11対11のミニゲームまで終えた選手たちを待っていたのは、地獄の無限シャトルランだった。
スパイクを脱いでトレーニングシューズに履き替えた選手たちは、ゴールラインに一列に並ぶと、反対側のゴールラインまで数えきれないほどに走った。通称“無限シャトルラン”だ。
19時40分頃からスタートしたシャトルランは、約30分間、休まずに行われた。20回目の往復を越えたあたりから離脱者が現れはじめ、ケインはもちろん、ソン・フンミンも最後はピッチの上に倒れた。練習強度が高いことで知られるコンテ監督のチームらしい仕上がりだった。
ハードな練習で疲労困憊の選手たちだったが、練習通して歓声を上げ続けたファンに向かっては手を振るなど、感謝の気持ちを伝えることを忘れなかった。
何より、ソン・フンミンは特別だった。トッテナムのチームメイトがピッチを離れた後も、観客席を大きく回って挨拶をした。蒸し暑い天気のなかにもかかわらず、スタジアムを訪れたファン一人ひとりに丁寧に挨拶した後、ピッチを後にした。
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