韓国代表FWソン・フンミン(29、トッテナム)こそが“ホンモノ”だ。
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ソン・フンミンの得点感覚が恐ろしいほどに研ぎ澄まされている。直近のリーグ戦3試合で6ゴールだ。
3月21日のプレミアリーグ第30節ウェストハム・ユナイテッド戦の2ゴール、4月4日の第31節ニューカッスル・ユナイテッド戦の1ゴールに続き、10日に行われた第32節のアストン・ヴィラ戦ではハットトリックを達成した。
前半3分の先制ゴールを皮切りに、後半21分、同26分と相次いで得点を決めた。ゴール前での集中力はもちろん、持ち前のスプリント、さらにはチームプレーなど、すべての要素が輝いたゴールだった。
これでリーグ戦3試合連続ゴールだ。一度上昇した得点感覚はそう簡単に冷めることはない。
今季15~17号目のゴールを1試合で達成したソン・フンミンは、プレミアリーグの得点ランキングで単独2位に浮上。プレミアリーグにおける自身のシーズン最多得点記録(2020-2021シーズン、17ゴール)ともタイに並んだ。
さらには、元韓国代表FWチャ・ボムグン(68)とともに自身が保持する大記録更新のチャンスもつかんだ。
ソン・フンミンはすでに2020-2021シーズン、チャ・ボムグンが保有していたアジア人選手の欧州ビッグリーグ通算最多ゴール(98ゴール)の記録を上回っているが、今回は韓国人選手の1シーズンにおける欧州リーグ最多ゴール(17ゴール)更新に挑む。
チャ・ボムグンはバイエル・レバークーゼンに所属していた1985-1986シーズン、ドイツ・ブンデスリーガで17ゴールを決めている。そのため、ソン・フンミンが今季さらに1ゴールを追加することになれば、この36年間で誰も越えられなかった記録を破り、新たな歴史を築くことになる。
この日の試合前まではポルトガル代表FWディオゴ・ジョタ(25、リバプール)と2位タイに並んでいたが、今回のハットトリックで単独2位となった。遠い存在のように感じられた首位(20ゴール)のエジプト代表FWモハメド・サラー(29、リバプール)との差も3ゴールに縮めた。
“ゴールの種類”を狭めて順位を決定するのであれば話は変わる。ソン・フンミンが今季決めた17ゴールのうち、PK(ペナルティキック)による得点は一つもない。
サッカー統計専門メディア『オプタ』によると、ソン・フンミンはPKによる得点なしに最も多くの得点を決めたプレミアリーグの選手だ。サラーは20ゴールのうち、5ゴールがPKによる得点だった。
ソン・フンミンはフリーキックによる1ゴールを除き、残りの16ゴールはすべて流れのなかで生まれたものだ。そのため、サラーよりも“純度”の高い得点力を誇っていることがわかる。
得点王争いに本格的に飛び込んだソン・フンミンは、直近の得点力でサラーをリードしている。
ソン・フンミンは3月以降だけで7ゴールを決めた。長距離移動を伴う国際Aマッチ以降も、後遺症のないパフォーマンスを見せている。一方、サラーは去る3月12日の第29節ブライトン戦を最後に、1カ月近く沈黙が続いている。
この勢いが続けば、ソン・フンミンがサラーを抜くのは時間の問題だ。リーグ戦のみならずFAカップ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)も並行しなければならないサラーと異なり、リーグ戦のみに集中できるという点もソン・フンミンにとっては好材料だ。
ソン・フンミンにはシーズン最多ゴール(2020-2021シーズン、22ゴール)の更新にも挑む。ソン・フンミンは今季、すべての大会合わせて38試合に出場し、18ゴール(8アシスト)を決めた。記録更新には残り7試合で5ゴールを決めなければならないが、現在の勢いであれば決して不可能な数字ではない。
史上初の記録達成の可能性もある。ソン・フンミンがサラーを抜いて得点王に輝けば、プレミアリーグ史上初のアジア人得点王となる。
また、イングランド代表FWハリー・ケイン(28)とコンビで決めた得点数でも、2人が持つ最多記録をさらに塗り替える「40ゴール」に数字を伸ばした。
ソン・フンミンの大活躍に支えられ、トッテナムも破竹の勢いを見せている。直近のリーグ戦4連勝で18勝3分10敗とし、勝ち点57で来季CL圏内の4位に浮上。直近2連敗のアーセナル(勝ち点54)との差を3ポイント差に広げ、4位争いで有利な位置を確保した。
なお、トッテナムは来る16日に行われる第33節で、前節にアーセナルを2-1で下したブライトンと対戦する予定だ。
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