もはやルールはあってないようなものだ。韓国Kリーグで“声出し応援”の解禁を求める声が日に日に高まっている。
新型コロナウイルス感染症は依然として我々の日常に潜んでいる。韓国では4月5日、新型コロナの感染者数が26万人を記録した。
ただ、前週には平均40万5000人近くが感染していたのを見ると、確実に減少しつつある。防疫当局も、オミクロン株感染拡大のピークからは脱したという見方を堅持している。
韓国では4日から2週間、私的な集まりの上限人数を10人に増やし、営業時間の制限も午前0時にまで延長した。新型コロナの感染傾向が安定的になれば、室内でのマスク着用義務を除くすべての規制を緩和する可能性も検討されている。
段階的な防疫緩和で以前までの日常生活を取り戻しつつあるが、依然としてスタジアム内での声出し応援は禁止されている。ただ、場内アナウンスによる注意喚起だけでは限界がある。
試合を観戦すれば思わず歓声が上がってしまうものだ。Kリーグではないものの、去る3月25日にソウルワールドカップ競技場で行われたカタールW杯アジア最終予選の韓国代表対イラン代表の試合では6万4375人の観客が集い、白熱した試合展開に場内が歓声で埋め尽くされた。
Kリーグは今季から観客を100%収容することで決定している。観客間の社会的距離確保はなくなり、飲食も認められている。ただ、こうした雰囲気のなかで、場内アナウンスで繰り返される「声出し応援は禁止です」という言葉だけが依然と異なる点だ。
浦項(ポハン)スティーラースは場内アナウンスだけでなく、一部選手が「声出し応援は禁止です」とメッセージを伝えるショートムービーを制作し、電光掲示板で流して注意喚起をしている。選手の姿と声が込められ、ファンが電光掲示板に集中する環境を作り上げたが、それでも声出し応援を完全に禁止することは難しいのが現状だ。
韓国プロサッカー連盟の関係者は、「声出し応援がスタジアムに与える効果と感染に及ぼすポジティブな影響をよく知っている。私も(声出し応援禁止は)残念に思っている」としつつも、「ただ、声出し応援禁止は政府の防疫指針だ。連盟が許可するところではない。連盟の(声出し応援禁止に関する)意見は文化体育観光部に伝えている状況だ」と伝えた。
とあるクラブの関係者は、「もはや場内アナウンスでは限界がある。試合中に自然に発生する声まで統制することは不可能だ」と吐露した。
防疫当局は2週間後に距離置きの再調整を行う可能性を示唆した。そこで声出し応援禁止が解除されるかどうか、今後の動向を見守りたいところだ。
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