とっさの怒りを我慢できず、ギャラリーへ中指を立ててしまったキム・ビオ(29)に、罰金1000万ウォン(約100万円)と3年間の資格停止処分が下された。
韓国プロゴルフ協会(KPGA)は10月1日、京畿道・城南にあるKPGA会館で緊急賞罰委員会を開き、キム・ビオに対する審議を行った。
キム・ビオは9月29日の「DGB金融グループボルビック大邱慶北オープン」最終ラウンドの途中、ギャラリーの騒音に腹を立て、中指を立てるジェスチャーを行い、波紋を呼んだ。
また当初「弁明の余地がない」と過ちを認めながらも「幼い頃からアメリカでのゴルフに慣れ親しんだこともあって、韓国の雰囲気に合わない習慣が残っていた」と弁明するなど、事態の深刻さを理解していない言動がひんしゅくを買っていた。
KPGAのキム・ギュフン賞罰委員長は、「エチケット違反でファンのひんしゅくを買い、協会や会員の印象を失墜させた行為や、公式大会において不適切な言動で品位を下げるなど、総合的に判断して処分を下した」と明らかにした。
キム・ビオは10月1日から3年間、会員資格を剥奪されることで、10月3日に開幕する「現代海上崔京周インビテーショナル」から韓国男子ツアーに参戦できなくなる。処分に対しては、15日以内に再審を要求することができる。
波紋が起きてから2日が経ち、キム・ビオもようやく事態の深刻さを理解したようだ。
釈明のため賞罰委員会に参席したキム・ビオは、「自分のせいで傷ついた観客に謝罪したい。また、熱心にサポートしてくださるすべての方に申し訳なく思っている」と述べた。また「賞罰委員会の決定に従いたい。選手である以前に1人の人間であるべきだ」と、今回の処分を受け入れる考えを示した。
3年間の会員資格処分によって国内ツアーには当分参戦できないが、日本ツアーやアジアツアーなど、海外ツアーの参戦にはKPGAも介入できない。そのため、今回の処分は軽くないかと批判も上がるとみられている。
キム・ビオも「ヨーロピアンツアーのクオリファイングスクールを見据えている。機会があれば、海外の舞台に再挑戦したい」と明かし、充電期間を経て海外に渡る可能性が高い。
これに対しKPGA関係者は、「複数優勝者には、3年間の国内ツアー出場権を与えている。(キム・ビオ)が得た2勝は事実上認めないので、決して軽い処分とはいえない」と、拡大解釈を警戒した。
事務局長代行を務めるイ・ウジン運営局長は、「芳しくないことが起こり、ゴルフを愛するファンや大会スポンサーの方々にとても恐れ多い。再発防止のため、観客文化の改善に努めて選手の人間性教育などを強化する予定だ」と、対策を述べた。
また、「プロゴルファーはファンに支えられて活動できている。大衆の関心によって大会が開催されるだけでなく、テレビによって試合が中継され、メディアを通じて言論が書かれる。今回の件で深い傷を負ったファンの方々と関係者の皆様に再度深くお詫び申し上げるとともに、実力と人間性を兼ね備えた選手が活動する団体として生まれ変われるよう努めていきたい」と頭を下げた。
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