10年在籍したトッテナムを今夏に退団し、母国でラストゲームを終えた韓国代表FWソン・フンミン（33）が米ロサンゼルス行きの飛行機に乗った。新天地として有力視されていた米メジャーリーグサッカー（MLS）のロサンゼルスFC加入が迫っている。
ソン・フンミンは8月5日午後、仁川（インチョン）国際空港を通じてロサンゼルスに出国した。
出発約3時間前、黒のレザージャケット姿で空港に登場したソン・フンミン。現地に駆け付けた約250人のファンに笑顔で応え、30分以上にわたって丁寧にサインや記念撮影に応じた。
出発ロビーにはソン・フンミンの出国関連報道を耳にしたファンが多く詰めかけたが、彼らはフォトラインに沿って整然と列をなした。出国時間の都合で一部のファンにはサインできず、本人も申し訳なさそうな表情を見せていた。
米スポーツ専門メディア『ESPN』は、7日にもソン・フンミンとロサンゼルスFCの契約が発表されると報じた。すでに契約の詳細まで合意しており、トッテナム側も移籍金の高かったサウジアラビアからのオファーを断り、本人の意思を尊重してロサンゼルスFCへの移籍を容認したという。
同メディアは「複数の関係者によると、ソン・フンミンは移籍金は2600万ドル（日本円＝約38億円）でロサンゼルスFCに合流する」とし、「MLS史上最高額の移籍金だ」と付け加えている。
ソン・フンミンは去る2日、韓国で行われたニューカッスル・ユナイテッドとの親善試合の前日会見で、トッテナム退団を自ら発表した。新天地に関する質問には「（2026年北中米W杯が）自分にとって最後のW杯になるかもしれない。だからこそ、すべてを懸けられる環境になければならない」とし、MLS行きを示唆していた。
トッテナムは3日のニューカッスル戦を終えた後、明け方の飛行機ですぐに出国したが、ソン・フンミンは同行せず。韓国でコーチ陣やチームメイト、関係者に別れを告げた。韓国にはロサンゼルスFCの関係者が訪問していたことが伝えられており、移籍は確実視されている。
“韓国サッカーの英雄”も気づけば30代中盤に突入した。プレミアリーグで全盛期を謳歌したソン・フンミンは、MLSの舞台でもう一度飛躍を果たそうとしている。
◇ソン・フンミン プロフィール
1992年7月8日生まれ。韓国・江原道出身。身長183cm。サッカー大韓民国代表キャプテン。小学校と中学校ではサッカー部に所属せず、韓国代表経験のある父ソン・ウンジョン氏から直接指導を受けた。2010年にドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVでプロデビュー。その後、2013年に移籍したバイエル・レバークーゼンで2年連続二桁ゴールを披露し、2015年にプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーへと移籍。2021-2022シーズンにアジア人初のプレミア得点王に輝いた。2025年8月2日、10年在籍したトッテナム退団を表明。愛称は「Sonny（ソニー）」。
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