韓国Kリーグ2(2部)の釜山(プサン)アイパークが時ならぬ議論に巻き込まれた。
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発端となったのは、去る3月13日にホームの釜山アジアド主競技場で行われたKリーグ2第4節の富川(プチョン)FC戦。
当時、釜山が0-1で敗れた試合後、通常であればスタジアムを回ってファンやサポーターに挨拶をするところを、選手たちは観客席の近くに寄ることなく、ハーフウェイライン付近でのみ挨拶をし、すぐにピッチを離れた。この行動が物議を醸したのだ。
直後、ファンはコメントを通じてクラブ、選手に非難を浴びせた。釜山の公式SNSに試合結果が掲載されるや否や、普段は10件程度しか寄せられないコメント欄に150件以上ものコメントが殺到。一部ではなく、大多数のファンが選手たちの行動に集団で反発した。
とあるファンは「サポーターズ席には“サッカーができないのならせめて真面目に育ってくれ”という横断幕がある。サッカーもできない、ファンに挨拶もできない。ファンに恥ずかしくないのか?」と皮肉った。
また別のファンも、「勝っても負けても応援はする。成績は出ないかもしれないが、負けたからといってファンに挨拶すらしなかったという話を聞いて本当に衝撃的だった」と非難した。
特に、当時は天気が雨だったこともあり、2時間近く雨に打たれながら選手にエールを送り続けていたファンたちは、選手が試合後に見せた行動に大きな失望を感じざるを得なかった。
とあるファンは、「ホーム開幕戦では劇的に引き分けたこともあり、試合後には可変席の近くにまで来て挨拶してくれた。にもかかわらず、このようなことがあると、ファンは“負けたからそういうことをするのか”と思わざるを得ない。遠くで軽く挨拶して帰るのは違うと思う」と、ホーム開幕戦と対照的な姿に失望を伝えた。
釜山は今季開幕前にスタジアムの改修を行い、ピッチから5mの距離に1234席規模の可変席を設置。ピッチのすぐ近くで試合の臨場感を味わえるという、ファンとの緊密なコミュニケーションを重視した。しかし今回、最も基本的な部分からファンを失望させたわけだ。
こうした非難が続くと、キャプテンの元韓国代表MFパク・ジョンウ(33)は「キャプテンとして心から申し訳なく思う。ファンがいなければ我々がいないことはよく知っている。選手たちともこの部分について話し合った。改めて、振り返る時間を設けるようにしたい」と謝罪。
また、チームの副キャプテンを務め、過去に川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本に在籍した北朝鮮代表FW安柄俊(アン・ビョンジュン、31)も、自身のSNSで「ファンが失望し、腹を立てることは当然のことだ。試合でプレーした選手の中で最も年齢が上の選手として責任は大きいと思う。プロ選手として相応しくない行動だったと思うし、今後はこうしたことが起こらないようにしたい。本当に申し訳ない」と伝えた。
釜山はこれらの選手の行動を“運営チームのミス”と釈明した。
クラブは本紙『スポーツソウル』の電話取材に対し、「元々は運営チームの案内に従って、選手たちがスタジアムを回りながら挨拶をする予定だった。だが、その日は雨が降っている状況で運営チームも右往左往してしまい、選手に気を配ることができなかった」とコメント。
続けて、「選手たちがそのような意図を持ったわけでは絶対にない。我々が案内しなければならなかったのに、コミュニケーションが上手く行かなかった。未熟な判断をしてしまったことでファンの皆様に申し訳なく思う」と謝罪した。
釜山は公式SNSでも謝罪文を発表。それとともに、当時スタジアムに来場したファンやサポーターに対し、19日の第6節全南(チョンナム)ドラゴンズ戦、27日の第7節金浦(キムポ)FCと3月に行われるホームゲーム2試合に関して、無料入場の措置を執ることを伝えた。
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