かつて元日本代表も在籍。韓国サッカー協会長がオーナーの古豪が危機のワケ「誰も投資しなくなる」

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韓国サッカー協会(KFA)の“トップ”に対する国内の厳しい世論が、Kリーグ2(2部)の釜山(プサン)アイパークに思わぬ影響を及ぼすことになりそうだ。

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前身の大宇(テウ)ロイヤルズ時代に4度のリーグ優勝(1984、1987、1991、1997年)を果たし、1985年にはアジアクラブ選手権(ACLの前身)で優勝した経験があるKリーグの“古豪”釜山アイパーク。

過去には、Jリーグで活躍した在日コリアンで元北朝鮮代表MF安英学(アン・ヨンハ、43)が2006~2007年に在籍。そのほか、元日本代表DF安田理大(34)や日本人MF渡邉大剛(37)、元韓国代表FWアン・ジョンファン(45)らが同クラブでプレーした。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)釜山時代の安田理大(左)

現在も、元川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本の在日コリアンの北朝鮮代表FW安柄俊(アン・ビョンジュン、31)のほか、元セレッソ大阪、鹿児島ユナイテッドFCの東京五輪代表GKアン・ジュンス(23)など、複数の元Jリーガーが在籍している。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)安柄俊

そんな釜山では最近、衝撃的なニュースが飛び込んできた。親企業である施工会社の建設大手・HDC現代(ヒョンデ)産業開発が光州(クァンジュ)で相次ぐマンション外壁崩落事故を起こし、KFA会長、さらにはクラブのオーナーを務めるチョン・モンギュ氏が同企業の会長職を辞任したのだ。

過去には代表取締役の横領疑惑も

前述の通り、釜山は1980~1990年代こそリーグ上位を争うチームだったが、2000年代以降は中位~下位が定位置となり、2015シーズン、2020シーズンには2部降格の憂き目にあった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)2020シーズン、2部降格が決まった瞬間の釜山アイパーク

さらに、2020シーズン終了後には元サッカー韓国代表MFキ・ソンヨン(32、FCソウル)の実父であるキ・ヨンオク氏が新代表取締役として就任するも、過去の光州FC団長時代にクラブの予算3億3000万ウォン(日本円=約3300万円)を横領した疑惑により、就任からわずか半月で辞任した。

ただでさえ、KFA会長がオーナーのクラブが直近で2度も降格していることに懸念の声が多く挙がっていたにもかかわらず、人事検証システムなど基本的な行政がまったく行われていないことをめぐり、国内では批判の世論が形成された。

そして、今度は親企業が前例のない大事故を起こし、最高責任者が経営責任を取って退いたことで、釜山の将来はさらに暗くなった。

釜山の関係者も本紙『スポーツソウル』の電話取材に対し、「今は何も言えない。非常に良くない雰囲気だ」というにとどめた。

来年以降の予算調達は「難しい」

釜山は2部降格でも親企業が予算支援規模を大幅に減らさないなど、比較的安定な運営を続けてきた。

一時は当期純利益が700~800億ウォン(約70~80億円)という危機もあったが、そこで100億ウォン(約10億円)規模の支援を維持したのがチョン会長だ。

ただ、そのチョン会長がHDC現代産業開発の会長職を退いただけでなく、今回の事故でHDC現代産業開発自体が今後の正常な事業運営が困難となったため、釜山にも暗雲が垂れこまざるを得ない。

複数の建設会社の関係者は、「光州市だけでなく、主要な地方自治体でHDC現代産業開発に対する撤退、不買運動の兆しが見られている。複数のマンションの組合内でも、(HDC現代産業開発に対する)施工会社の契約解除などが叫ばれており、企業の売上減少は目に見えている」と語った。

また、証券業界の関係者は、「証券市場でHDC現代産業開発の株価が急落している。(ノ・ヒョンウク)国土交通部長官も、法が規定する最も強い処罰を予告したのではないか」とし、「今後の受注困難が伴うことを超え、企業の当期純利益や営業利益が減少すれば、誰も投資しなくなるはずだ」と強調した。

続けて、「HDC現代産業開発の信用評価も短期間に影響を及ぼさない可能性はあるが、長期リスクが大きければ資金調達もできなくなる。資金は金融機関から借り入れて運用するとしても、来年のサッカーチーム(釜山アイパーク)の予算を円滑に調達することは難しそうだ」と見通した。

チョン・モンギュ会長

チョン会長に向けられた“冷たいまなざし”

釜山が混乱に陥る最中、チョン会長が去る2013年からトップに立ち続けているKFAも内輪もめの様相を呈している。

KFAの事情に詳しいサッカー関係者は、本紙に「(会長職を守る)名分がない」とし、「チョン会長が自身の主業とするHDC現代産業開発の会長職から退いたではないか。KFA会長職を維持する名分が足りなくなり、色々と悩んでいると聞いている」と伝えた。

ところが、チョン会長は18日、ソウル新門路(シンムンロ)のサッカー会館で行われたKFA役員会議に出席した。

役員会議は毎週火曜に開かれているが、当初、KFA職員は前日までマンション外壁崩落事故の対応に追われたチョン会長の出席は難しいと見込んでいた。

ただ、チョン会長はこれ見よがしにサッカー会館を訪れ、役員や職員に「現在の(自身を巡る)状況に動揺せず、任務に万全を期してほしい」と指示したという。この発言は、HDC現代産業開発の会長からは退いたものの、KFA会長職は維持するという意味で解釈できる。

自然に、大韓体育会の副会長職を含め、韓国スポーツ界での自身の地位を維持する基調を展開するものとみられる。

チョン会長に対しては、今後の行動を慎重に見守るべきだという見方があるが、このような基調には否定的な声が少なくない。

一部のサッカー関係者は、「会長職を維持しても、当分は“熟慮”という言葉が必要ではないかと思う。HDC現代産業開発の社内でも、“チョン会長はほかの首長職をすべて維持する”とメディアに言及するのに、非常に軽率な行動だ」とし、「KFAスポンサーや多くのサッカー関係者の間でこそこそ話が出る理由」と指摘した。

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