平昌五輪“イジメ走行”の真実は…韓国パシュートの2選手が法廷を舞台に激しい対立

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“イジメ走行”の真実は一体何なのだろうか。

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2018年の平昌冬季五輪以降、葛藤の関係にあった女子スピードスケートのキム・ボルム(26)とノ・ソンヨン(30)が、法廷で最後の対決を繰り広げることになった。

ソウル中央地裁民事合意36部(部長判事ファン・スンヒョン)は1月20日、キム・ボルムが昨年11月にノ・ソンヨンを相手取って起こした2億ウォン(日本円=約2000万円)の損害賠償請求訴訟の第1回目の弁論期日を進行した。

キム・ボルム(左)とノ・ソンヨン

キム・ボルムは訴状にて、平昌冬季五輪当時、ノ・ソンヨンの虚偽の主張で非難を浴びて精神科治療を受けたこと、後援の中断で経済的被害を受けたことを主張した。

また、個人種目の出場準備のためショートトラック練習場で別途の練習を行っていた際、ノ・ソンヨンが練習中にひどい悪口を発したためにチームの雰囲気を損ねたことも主張。キム・ボルムは同僚や指導者らの事実確認書も添付したと伝えられている。

一方、ノ・ソンヨン側の代理人は「暴言と暴行がスポーツ選手間で不法行為として成立するかどうか、判断に従わなければならないが、社会常規を違反しない程度だった」と述べた。

また、「仮にそれが不法行為だったとしても、不法行為の消滅時効は成立した。この時点で訴訟を起こすのが正しいのか、キム・ボルムが実際に訴訟を進めるのか、大韓スケート競技連盟が原告の名前を借りて代理で進めるのかは疑問だ」と続けた。

ただ、これに対して大韓スケート競技連盟側は強く反発している。キム・ホンシク前管理委員長は「連盟はようやく管理団体から脱した。法廷で役員選任すらしていない連盟を取り上げるのは筋が通っていない。厳重に責任を問う」と述べた。

文体部は「イジメはなかった」と主張も…

大会当時、同じチームで出場したノ・ソンヨンとキム・ボルム、そしてパク・ジウ(22)の3人はいずれも韓国体育大学出身で、ノ・ソンヨンが最も年上だ。

平昌五輪当時の韓国女子団体パシュート

文化体育観光部は平昌冬季五輪を揺るがした“イジメ走行”問題について、2018年5月23日に韓国スケート競技連盟に対する特定監査結果を発表し、「“イジメ”はなかった」としていた。

文体部は「キム・ボルム選手が故意に最後の周でスピードを出したり、ノ・ソンヨン選手がわざと遅く走行したという主張は事実ではない。良い成績を出すため、目標を上方修正した作戦が失敗した。選手たちは与えられた環境で最善を尽くした試合と判断される」と伝えていた。

韓国は平昌五輪当時、2018年2月19日に行われた女子スピードスケートの女子チーム・パシュート準々決勝で脱落。キム・ボルムとパク・ジウが先にフィニッシュラインを通過し、そこから遅れてノ・ソンヨンがゴールしていた。

パシュートは3選手のフィニッシュライン通過時間の合計で順位を決める。そのため、当時はノ・ソンヨンがついてこられないよう、キム・ボルムとパク・ジウが故意に速く走ったという陰謀論も一部メディアが提起していた。

そのうえ、ノ・ソンヨンが代表チームの記者会見に姿を現さず、「練習中も仲間外れだった」と主張したため、イジメ問題は大きな争点となった。

当時、青瓦台の国民請願掲示板には「キム・ボルムの選手資格をはく奪してほしい」という請願が寄せられ、最短期間で参加者50万人突破という記録を立てた。

パシュート準々決勝当時、キム・ボルムとパク・ジウから大きく離れて滑るノ・ソンヨン(右)

沈黙を続けていたキム・ボルムは、2019年1月にチャンネルAの報道番組『ニュースA』とのインタビューで、「2010年から(ノ・ソンヨンに)いじめられていた。加害者が大声を出して悪口を言った。休憩時間にロッカールームに呼ばれ、1時間も2時間も暴言を浴びせられることが多かった」と暴露した。

そのほかにも、「トレーニング中、コーチが“30秒ラップタイムで走れ”と言ったので、それに合わせて滑っていたら、(ノ・ソンヨンが)ゆっくり滑れと声を上げてトレーニングを邪魔した」と語っている。

オリンピック終了後、キム・ボルムは外傷後ストレス障害(PTSD)で入院治療を受けた。特定監査の結果、“キム・ボルムが故意にスピードを出したわけではない”という文体部の結論で名誉回復はしたものの、否定的な視線を完全に洗い流せたわけではなかった。

大学の先輩後輩にあたるキム・ボルムとノ・ソンヨンの法廷訴訟は、韓国スケート界の長年の葛藤を如実に表しているようだ。

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