Kリーグ1(1部)の水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスに所属する元韓国代表MFヨム・ギフン(38)は今、選手生活の最後を描いている。
ヨム・ギフンは最近、Kリーグでは意外ながら開幕前に今季限りでの引退を予告した。
1月25日、ヨム・ギフンは取材陣に対し「(引退予告について)かなり悩んだが、今は引退時期を予定して新シーズンの準備をしているから気楽でストレスもない。いつにも増してモチベーションがある。最後を上手く終えたいという気持ちが大きい。楽しく冬季キャンプに臨んでいる」と淡々と語った。
周囲からの反対にも、ヨム・ギフンは自ら引退の時期を決めた。
「妻からは“予め引退時期を決めておくのは理解できない”と言われた。自分は韓国の数え年で40歳までプレーしたいと思っていた。40歳まで選手生活を続けるというのは個人的に光栄なことだ」というヨム・ギフンは、「クラブでは引退時期を自分で決めてほしいと伝えられた。心遣いが大きな力になった。それに、指導者を早くやってみたい気持ちがある。(指導者が)大変とはいえ、新たに挑戦したい思いがある」と、引退を決断した背景を詳しく説明した。
そんなヨム・ギフンには、Kリーグにおいて前人未到の大記録である「通算80ゴール80アシスト」達成が目前に控えている。
これまで全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータース、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)と渡り歩き、2010年から水原三星でプレーしているヨム・ギフンは、Kリーグ通算423試合に出場し、77ゴール110アシストを記録中と、残り3ゴールとしている。なお、アシスト数はKリーグ1史上最多の数字だ。
ヨム・ギフンは「“80-80”を達成したい思いは強い。今後、後輩の誰かがこの記録を破るかもしれないが、本当に欲の出る記録だ」とし、「FCソウルとの試合でチームの雰囲気が左右されることが多かった。ソウルとのスーパーマッチ(ダービー名)を戦いながら、泣いたことも、笑ったこともあった。80回目のゴールはFCソウル戦でフリーキックを決めたい」と意気込んだ。
ヨム・ギフンは、2020シーズンに全北現代をKリーグ史上初の4連覇に導いた後、現役を引退した元韓国代表FWイ・ドングッ(42)に自分の姿を重ねている。「(イ・)ドングッ兄さんのように優勝して最高の瞬間に退くことが自分の夢だ。後輩やコーチングスタッフとの最後を優勝で締めくくりたい」とヨム・ギフンは言う。
もう一つの願いはファンの声援だ。現在、Kリーグでは新型コロナウイルス感染症の影響により、声を出しての応援が禁止されている。
ヨム・ギフンは「声出し応援が可能になったら。(ファンの)声援を受けながら引退したい。2年近く聞けていないので声援が懐かしい。そうなれば、どの選手にも劣ることのない引退になると思う」と伝えた。
過去には韓国代表として、2017年のE-1サッカー選手権の日本代表戦でゴールを決め、4-1の大勝に貢献したこともあった。抜群の左足の精度から「レフティモンスター」「左足の支配者」と呼ばれたヨム・ギフンは、はたして、現役生活のラストを華々しく飾ることができるのだろうか。
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