俳優ハ・ジョンウ「キャンプで体を作る野球選手のように」失敗もこれからの為の土台

2023年10月01日 話題

「ベルリン五輪以後、ソン・ギジョン先生はすべてを失った人でした。国民的英雄が奈落に落ち、苦難を乗り越え、再び希望を取り戻したという点がこの作品の意義ではないでしょうか」

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すでに4年前に撮影した映画だが、俳優ハ・ジョンウが映画『1947ボストン』のソン・ギジョン役を演じることは特別な意味がある。彼も映画『非公式作戦』で失敗を味わったことがある。40代半ばを超えた韓国を代表する俳優が、ユーチューブの番組で涙を流した場面は、今の韓国映画界が直面している状況をそのまま描写しているようだった。多くの映画関係者が「他人事ではない」と頷いたほどだ。

しかし、このまま立ち止まるハ・ジョンウではない。自身の選択に責任を持ち、最善を尽くす彼の姿からは、ソ・ユンボクという卓越した才能を育てたソン・ギジョンの姿が垣間見えた。

(写真=ロッテエンターテイメント)ハ・ジョンウ
(写真=ロッテエンターテイメント)ハ・ジョンウ

映画『1947ボストン』は、ハ・ジョンウが尊敬していたカン・ジェギュ監督の作品という点で、彼の長年の夢が叶った作品だ。カン・ジェギュ監督はハ・ジョンウの中央大学の先輩でもある。

「入隊中に、ものすごい大ヒット作品が出たという噂が部隊に広まっていました。それが『シュリ』(1999)でした。その時は入隊中で映画を見ることができなくて、休暇にネットカフェで映画を見ました(笑)。衝撃と感動そのものでした。韓国にもこんな大ヒット作品が出るなんて。監督は私にとってレジェンドになりました。何かの短編を撮影するという噂が出れば、私も早くその場に入りたいという気持ちでした」

映画『神と共に』(2017)シリーズのキム・ヨンファ監督がプライベートで設けた場に同席したことでカン監督と面識はあったが、公式に会ったのは2018年に『1947ボストン』のオファーを受けた後だった。ハ・ジョンウは当時の気持ちを「幼い頃からの夢を叶えた気分」と表現した。

ただ、全国民が知っている国民的英雄を演じなければならないのは、さまざまな役を演じて来たベテランのハ・ジョンウにも少なからず負担はあった。

ハ・ジョンウは、ソン・ギジョンが北朝鮮の平安北道(ピョンアンプクド)・義州(ウィジュ)府出身という点に着目した。

(画像=映画『1947 ボストン』)
(画像=映画『1947 ボストン』)

「私の祖父が北朝鮮出身でした。祖父に似た父はとても血の気が多く、好き嫌いがはっきりとした性格ですが、そのような姿がソン・ギジョン先生を表現するのに役に立ちました」

彼の弟子ソ・ユンボク役を演じたイム・シワンについては「手入れをされていない野生動物のようだが、説得力のある演技でした」と称賛。「物理的な努力でソ・ユンボクの目つきを作り出し、徹底した食事管理で撮影に臨むところに驚きました」として「計算せずにありのままに飛びかかる、素敵な俳優」と話した。

実際、ハ・ジョンウ自身も基本に忠実な俳優だ。彼はシナリオを受け取った後、監督と一緒に座った席で台本を読み終えることでよく知られている。映画『非公式作戦』に一緒に出演した俳優チュ・ジフンは、そんなハ・ジョンウの姿に刺激を受けたという。

ハ・ジョンウは「基本を固めるのは俳優として当然の努力です。まるで野球選手がキャンプで体を作るように、私も作品に入る前にシナリオを分析し、監督と議論を交わします。私だけのキャンプ過程を経るのです。選手たちはキャンプで基本を鍛えれば試合で勝利できますが、映画は次の作品までその努力が続きません。ただ人と経歴が残ります」と話した。

(写真=ロッテエンターテイメント)ハ・ジョンウ
(写真=ロッテエンターテイメント)ハ・ジョンウ

彼は今『非公式作戦』の失敗を踏まえ、次回作に向かって進んでいる。映画『夜行』と『ハイジャッキング』の撮影を終え、自身が演出と主演を務めた映画『ロビー』の撮影の真最中だ。

ハ・ジョンウは「コロナのエンデミック後、どんな作品がゲームチェンジャーになるか分からない」として「コスパを重要視するMZ世代の特性上、2倍速視聴が流行しているが、そのような傾向が主流になるわけではないと思います。トレンドは回るのではないでしょうか」と自信を示した。

韓国プロ野球LGツインズの長年のファンとしても知られているハ・ジョンウは、インタビューの間、すべての演技活動を野球に例えた。「昨年LGツインズの成績が残念でしたが、今年は調子がいいです。もし韓国シリーズの始球式の要請があれば出ます」と話した。

「昨年の成績は、今年より良い結果を出すための土台でした。俳優も同じです。映画『悲しき獣』(2010)や『群盗』(2014)も予想より評価が良くなかったと言われていましたが、その後、時間が経ってから作品性で好評を得ました。私も今の成績に一喜一憂せず、演技でロングランしようと思います」

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