4種の麻薬容疑を受けている俳優ユ・アイン(36、本名オム・ホンシク)が、再び警察に召喚される見通しだ。
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ソウル警察庁の関係者は8日、ソウル鍾路(ジョンノ)区で行われた定例記者懇談会で「ユ・アインに対する捜査が最終段階にある」とし、「近いうちに追加調査を行う予定」と明らかにした。
これに先立って、韓国警察はユ・アインの知人ら4人を麻薬類管理違反の疑いで立件し、被疑者身分に切り替えた。「ユ・アインが睡眠薬の一種である向精神薬ゾルピデムの代理処方を受けた」という状況も補足している。
知人ら4人の詳細については、ユ・アインと親密な仲にあった美大出身の作家、ユーチューバーなどと伝えられた。ユ・アインが当時ゾルピデムの代理処方を受けた該当医院に対しても、継続的に調査が行われている状況だ。
ユ・アインは3月27日に12時間におよぶ警察の取り調べを受けた。ただそこから大きな動きがなく、他の麻薬事件に比べて捜査が遅いという指摘が出たりもした。ユン・ヒグン警察庁長は指摘に対して「他の件とは異なり、この事件は食品医薬品安全処から捜査情報を受けたもので、医薬品に関するものもあり、複雑だ」と釈明した。
すでに撮影を終え、公開を控えていたユ・アインの出演作、映画『勝負』『ハイファイブ』、ドラマ『終末のフール』(いずれも原題)は現在公開保留・延期となっているが、完全にお蔵入りと断言はできない状況だ。
実際に、韓国では薬物に手を出した芸能人の相当数が自粛期間を持ってはいるが、1年と経たずして復帰したケースもかなりあった。
俳優ハ・ジョンウは2019年1月から9月までの期間、弟であるキム・ヨンフンとマネージャーの名義を利用してプロポフォールを常習投薬した疑いで2021年9月に罰金3000万ウォン(約300万円)を宣告された経緯を持つ。
その後ハ・ジョンウは1年余りの自粛期間を設け、2022年9月にNetflixオリジナルシリーズ『ナルコの神』で復帰した。
俳優チョン・ソグォンもまた、2018年2月9日にオーストラリアでヒロポンを投薬した事実を明らかにした。当時チョン・ソグォンはNetflixオリジナルシリーズ『キングダム』の出演が決定しており、ほとんどの撮影を終えた状況であるため降板に至らなかった。『キングダム』はその後2019年1月25日に公開されている。
早期の復帰は、アーティストらにも見受けられる。
BIGBANGのメンバーT.O.Pは、2017年6月4日に直筆謝罪文を通じて大麻の吸引を認めた。9カ月後の2018年3月にはBIGBANGのデジタルシングル『FLOWER ROAD』がリリースされている。
また、ラッパーのE SENS(イーセンス)は麻薬容疑で服役中にもかかわらず活動を続けた。2011年、2014年に大麻使用疑惑で拘束され、初のフルアルバム『The Anecdote』は服役中の2015年にリリースされている。
多くの実例がある一方で、ユ・アインの復帰に関しては見通しを立てられないというのが専門家の見解だ。
ユ・アインの薬物疑惑は、他の麻薬事件と比較して捜査が難航している。発覚後に数件の薬物が追加確認され、事件関係者も続々と浮上した。これによって捜査範囲が拡大されたため、早期の復帰は困難であることが見受けられる。
ある業界関係者は「現時点で復帰を論じるのは時期尚早だ。調査結果をある程度見守らなければならないが、嫌疑なしの処分を受けることがあれば復帰が早まることもあるだろう」とする一方で、「2次捜査でコカインの容疑が認められたならば、出演作の公開どころか芸能界復帰そのものが難しくなってくる。損害賠償に関する訴訟が本格的に続くことも十分考えられるだろう」と予測した。
警察は現在、ユ・アインの知人ら4人を全員被疑者に転換している。彼らはユ・アインが2月5日にアメリカから韓国に入国する際に同行しており、参考人として取り調べを行った際に住居地追加押収捜索を通じて体内から大麻が検出された。
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