韓国の女性芸人カン・ユミのYouTubeコンテンツが、社会的議論の中心に立った。
笑わせるために作ったネタだったが、ある人には痛快な共感として、別の人には不快な風刺として受け取られているようだ。
カン・ユミは最近、自身のYouTubeチャンネルに『中年ナムミセ』というタイトルの動画を公開した。ナムミセは、男に過度に執着する人をからかう意味合いの造語。動画でカン・ユミは高級ブランドで身を固めた会社の上司役として登場し、女性社員には容赦なく当たる一方、男性社員にはやたら甘いという極端な“ダブルスタンダード”を見せつける。
とりわけ「息子の母」という設定のキャラクターは、「私は息子を産んだことを後悔していない」「最近の女の子は問題が多い」といった“性別の分断”を煽るような発言で強烈な印象を残した。動画は公開から数日で再生回数が140万回を軽く超え、コメントも数万件に達するなど爆発的な反応を集めている。
反応は真っ二つだ。「職場で実際に見た“悪役”にそっくり」「笑えるのにゾッとするほど現実的」といった共感が相次ぐ一方、一部のマムカフェ(子育て世代のオンラインコミュニティ)などでは「特定の集団、とりわけ“息子の母”を揶揄している」「女性同士の対立を煽っている」といった批判も出た。
議論が大きくなると、作家で漢陽(ハニャン)大学カウンセリング心理大学院の兼任教授でもあるクァク・チョンウン氏も反応。「ただ笑って流せる動画ではない」とし、動画のキャラクターを心理学概念の「投射(プロジェクション)」として分析した。「動画の『ナムミセ』は、自分では認めがたい欲望や羞恥心を他人にかぶせて攻撃する、典型的な投射の姿だ」としたうえで、コメント欄で起きている激しい感情のぶつかり合いさえ、別の形の投射になり得ると指摘している。
さらに「人々がこの動画に熱狂したり怒ったりするのは、否定したかった真実があまりにも正確に描写されたからだ」として、「カン・ユミは笑いの裏に隠れた人間の本性を正確に突く」と評価。「この反応の大きさ自体が、風刺が現実を的確に刺した証拠だ」と付け加えた。
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