複数の女優に対する性行為強要疑惑が報じられた俳優の木下ほうかが、すべての芸能活動を無期限で休止することを発表した。
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木下ほうかは3月28日、自身のツイッターを通じて謝罪。疑惑を提起した報道について「概ね間違っておりません」とし、「女性の方々はもとより、関係者の皆様に多くのご迷惑をおかけしてしまい、深くお詫び申し上げます」と伝えた。
すでに所属事務所とのマネジメント契約は解消されており、無期限の芸能活動休止を宣言し、波紋が広がっている。
彼が今後、復帰する可能性はあるのだろうか。その参考となりそうなのが、お隣・韓国芸能界だ。
今から4年前の2018年2~3月、演技派・中堅と呼ばれた俳優たち、チョ・ミンギ、オ・ダルス、チョ・ジェヒョン、チェ・イルファ、キム・テフン、ハン・チェヨンらに次々とセクハラや性的暴行疑惑が浮上したのだ。
俳優だけでなく、“韓国映画界の鬼才”キム・ギドク監督をはじめ、韓国を代表する詩人コ・ウン、気鋭のフォトグラファーRotta、舞台演出家のイ・ユンテクなどにもセクハラやパワハラ疑惑が浮上した。
そのほとんどが疑惑を認め、出演映画やドラマから降板し、芸能活動を中断した。今回の木下ほうかと似た流れだ。
彼らはその後、どうなったのか。大きく3つのケースに分かれる。
まずは“復帰”だ。
例えば、2018年2月に2人の舞台女優に強制わいせつを受けたと告発され、活動自粛した俳優オ・ダルスは、約1年半後の2019年8月13日、所属事務所を通じて「あまりにも久しぶりの挨拶なのですごく緊張する」と公式立場を発表し、映画への出演を伝えて復帰した。
また2018年2月に所属事務所を通じて、過去のセクハラを認めた俳優チェ・イルファも自粛後、2019年5月頃にドラマ出演を発表して復帰している。およそ1年から1年半の自粛期間を経ての復帰する俳優が少なくないようだ。
一方で、未だに復帰できていない俳優もいる。
俳優チョ・ジェヒョンは2018年にセクハラや性的暴行の加害者と名指しされ、出演中のドラマから降板し、すべての活動を中断。2020年7月に彼の弁護士が「まだ地方某所で蟄居中だ。山登りをすること以外には何の仕事もしない。文字通りひきこもり生活だ」と近況を伝えたが、4年が経った現在もこれといった活動は聞かない。
最後に特殊な例だが、韓国ではすでにこの世を去った俳優もいる。
俳優チョ・ミンギは2018年2月、彼が教授を務めていた大学の女子大生をセクハラしたことで教授職を免職となり、その後も彼が女性に送ったとされるセクハラメールや、身体部位を撮影した写真などが公開された。謝罪をした彼は同年3月、突然この世を去っている。
キム・ギドク監督もセクハラ告発した女優とメディアを相手にした損害賠償訴訟中、新型コロナに感染して2020年12月に亡くなった。その訴訟は2021年11月、1審と同じく原告敗訴の判決が下されている。
いずれにしてもセクハラや性的暴行に走った俳優たちは、たとえ復帰してもイメージの悪化は避けられない。木下ほうかの今後が厳しいことになるのは間違いなさそうだ。
■新型コロナで死亡した“鬼才”キム・ギドク監督を韓国映画界が素直に追悼できない理由
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