大谷翔平に“あわや死球”で睨まれた韓国投手は今…プロ野球でも四球連発、開幕早々「制球難」嘆く

2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にも出場した韓国代表投手イ・ウィリ(20、KIAタイガース)が、自らの“制球難”を嘆いた。

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イ・ウィリは4月2日、アウェイの仁川(インチョン)SSGランダースフィールドで行われた韓国プロ野球KBOリーグ・レギュラーシーズンのSSGランダースとの開幕2連戦2試合目で先発登板し、5回を投げて3被安打、6四球、3奪三振(自責点1)を記録。

試合は9-5でKIAが勝利し、イ・ウィリが勝利投手となった。

この日、KIAはイ・ウィリの力投に応えるかのように、打線が長短13安打と爆発した。前日のシーズン初戦で1-4と敗れた雪辱を果たした形だ。ビジターゲームでの開幕2連戦を1勝1敗は最低限の成果と言えるだろう。

「最悪だった」…WBCでは大谷に“あわや死球”

ただ、イ・ウィリ本人に笑顔はなかった。投球内容が良くなかったためだ。

「5回3被安打」だけならそう悪くないが、目につくのは「6四球」だ。これはイ・ウィリの自己最多タイとなる四球数である。

イ・ウィリはこれまで、プロ1年目の2021年8月26日のロッテ・ジャイアンツ戦、2年目の昨年9月24日のNCダイノス戦でそれぞれ6四球を許した。年に一度は出ていた「6四球」が、今年はシーズン初登板で出てしまった。

それだけ制球が良くなかったという意味だ。イ・ウィリは降板するまで101球を投げたが、ボールが44球、ストライクが57球でボール率43.6%を記録。ボール率は昨季が37.9%、2021年が40.4%だった。元々ボールが少ない選手というわけでもないが、それでもこの日は特に多かった。

試合後、イ・ウィリは「最悪だった。思い通りに投げられなくて自分自身と喧嘩するのに忙しかった。考え過ぎは良くないと、打たれてもとにかく投げ続けようとした。途中からは少しマシだった。四球を多く与えたにもかかわらず、5回まで投げることができた。リリーフや野手の先輩たちに申し訳ないが、それでも幸いだと思う」と語った。

以前からそうだったが、イ・ウィリは基本的に“たくさん投げる”投手だ。イニング当たりの投球数は比較的多い。直近2年間でも、1イニング当たりの投球数は17球を超える。この日は5回で101球だったので、1イニング当たり約20球以上投げたことがわかる。まずはいかに投球数を減らせるかが最大の課題だ。

「今回の6四球は自身の1試合最多タイとなる四球数だ。これ以上出ないようにしなければならない。今年の目標は四球を最大限与えないことだったが、今回はダメだった。次の試合までしっかり準備したい」

そんなイ・ウィリが制球改善のために取り組んでいるのがメンタル管理だ。彼は「ストレス」を強調した。

「過ぎたことに対してストレスを受けないように努力している。心が多少は軽くなったと思う。力がつけば、スピードはさらに上達すると思っている。制球も経験を積み、不要な考えを減らし、自身を取り戻せば上手くいくと信じている。最大限ストレスを受けないようにしている。そうすえば、揺らぐことなく考えの整理が上手くいくと思う」

WBC日本対韓国でのイ・ウィリ

KIA先発陣の一角を担うイ・ウィリには各所から「エース」の声が聞こえるが、本人は至って冷徹に自身を見つめている。そして、現時点で自分ができることに集中している。

「自分がすべきことをする。まだ自分は完成した投手ではない。頑張って期待に応えなければならない。努力する」

「安定感のある投手になることが目標だ。上手くいかないときもあるかもしれない。そのときは球威で押し進めなければならない。ダメならダメなりにやるしかない。状況にとらわれず、120球投げても最後まで投げ切る。そうしてイニングを消化していきたい」

イ・ウィリはプロ初年度の2021年シーズンに4勝5敗の防御率3.61、昨季は10勝10敗の防御率3.86を記録した。2021年夏の東京五輪、今年のWBCも出場した。

ただ、WBCではほろ苦い経験を味わった。1次ラウンド第2戦の日本戦、4-11と大幅にリードされた7回途中に登板するも、打者4人を相手に3四球と乱調。この間にワイルドピッチと押し出し四球で2失点を重ね、回を締められずに降板した。

特に、大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)にあわや死球という内角の球を投げると、大谷は声を上げてイ・ウィリを睨みつけ、騒然とした東京ドームの観客席からはブーイングが飛んだ。結局、イ・ウィリはこの日本戦だけがWBC唯一の登板となった。

イ・ウィリの四球で塁に出た当時の大谷翔平

しかし、まだ20歳と若い選手だ。この先の伸びしろは大きい。むしろ、周囲がイ・ウィリに期待することが多すぎるほどだ。成績を残しつつ、それなりに厳しい“成長痛”も味わっている。

KIA率いるキム・ジョングク監督は試合後、「イ・ウィリが投球バランスが不安定ななかで難しい投球をしたが、それでも5回の責任を負って先発投手の役割を上手く果たしてくれた。回数を重ねるごとに安定する姿を期待している」と話していた。

イ・ウィリは今も答えを探し続けている。それを見出せたときこそ、この先のさらなる成長の可能性が見えてくる。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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