日本の野球場には韓国にはない名物がある。「ビールガール」。日本式で言うところの「ビール売り子」だ。
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プレミア12の取材のため、東京ドームを訪れたとき、一番先に目を引いたひとつが彼女たちだった。
韓国にも球場でビールを売る「ビールボーイ」がいるが、日本の球場でビールを売るのはほとんど女性だった。
試合開始前、観客席のいたるところに登場するビールガールは、背中に大きなビールサーバーを担いで、階段を上り下りしていた。観衆がビールを買うために呼べば、隣近でビールを注ぎながら優しく話をするビールガールの姿を確認することができる。
日本のビールガールは徹底した競争関係の中にある。ビールメーカーによって衣装が違う。彼女たちの売上がビール会社の売上と直結する。
一般的にビール1杯の価格は800円。韓国で約8000ウォン程度だ。自分たちの販売能力によって常連客を作ることもでき、収入も千差万別だという。収入が多いときは、短期間で一般サラリーマンの平均給料を超えるという。
東京ドームでビールガールのバイトしているトキワ・モモコという女性に直接話を聞いた。
ユニークだった点は、モモコさんがインタビューの間、一度も席に座らなかったことだ。
20キロを超える重さのビールサーバーを肩に担いでいたので、席に座って気楽にインタビューをしようとしたが、彼女は遠慮した。仕事の規定上、隣に座ることができないというのだ。客が呼べば近寄って腰を落とし、しゃがんでビールを注ぐ理由も規定のためだった。
ビールガールのアルバイト3年目というモモコさんは、「大学1年生からバイトをしている。母親が以前、ビールガールのアルバイトをしていたことがあって、私を紹介してくれた」ことがビール売り子になったきっかけだという。
球場が仕事場であるだけに、野球を愛するファンでもある。彼女は「読売ジャイアンツのファンだ」と誇らしげに語った。東京ドームは巨人の本拠地だ。
仕事はつらいが、やりがいを感じるときはいつだろうか。
「なぜかお客さんが私の名前を覚えてくれて、次も呼んでくれてビールを買ってくれるときが一番やりがいのある瞬間」
自然に収入に関する話題になった。モモコさんは「収入は悪くない。会社と私が半分ずつ分け合う構造だ」と笑った。
短いインタビューを終えて再び仕事に戻ったモモコさんは、明るい笑みを浮かべながらビール販売を再び始めた。
重いビールサーバーを背負い、野球場のあちこちを歩き回らなければならないため、体力の消耗は大きいだろうが、この日、東京ドームで見かけた数十人のビールガールたちは笑顔を絶やさず、サービスに最善を尽くした。みんながプロだった。
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