大谷翔平のような“別格”はもちろん、MLBにパワーヒッターも投手すらいない韓国 それでも日本に勝っている点とは?

2025年12月25日 スポーツ一般 #MLB #野球

メジャーリーグは、すべての野球選手にとって「夢」の舞台だ。

【写真】韓国の人気チア、大胆ビキニSHOT

韓国プロ野球KBOリーグや日本のNPBでプレーする選手たちもビッグリーグを目指し、実際に進出を果たしている。

絶対数では日本が圧倒的に優位だが、その一方で韓国が日本より際立っている分野もある。

日本が韓国に後れを取っている点とは?

2025シーズンのメジャーリーグで活躍した日本人選手は10人に上る。

「二刀流」の大谷翔平は別格としても、山本由伸、佐々木朗希、菊池雄星、千賀滉大、松井裕樹、今永昇太らが名を連ね、いずれもチームの主力として存在感を放っている。

山本由伸(左)と大谷翔平
(写真提供=OSEN)山本由伸(左)と大谷翔平

野手では鈴木誠也と吉田正尚がいる。鈴木は2025シーズンに32本塁打103打点を記録し、大活躍を見せた。さらに最近では、NPB通算246本塁打の強打者・村上宗隆がシカゴ・ホワイトソックスと2年3400万ドルで契約し、新たに1人が加わった。

一方で、「欠けているもの」もある。それがショートとセカンドだ。

鈴木と吉田はいずれも外野手で、村上はサードやファーストを守る。投手陣は勢いがあるが、野手は物足りず、特にショートとセカンドは「壊滅的」と言っていい状況だ。これまで、そのポジションの日本屈指の内野手たちがアメリカに渡ったものの、「成功例」と呼べる存在は見当たらない。

韓国は事情が異なる。

まず挙げられるのがカン・ジョンホの例だ。不祥事により事実上の強制引退となったが、ピッツバーグ・パイレーツ時代には攻撃型ショートとして存在感を示し、KBOリーグ出身野手でも成功できることを証明した。

そのバトンを受け継いだのがキム・ハソン(アトランタ・ブレーブス)だ。本職はショートだがセカンドもこなし、サードまで守れる万能型だ。守備力はすでに折り紙付きで、ゴールドグラブ賞も受賞した。

キム・ハソン
(写真提供=OSEN)キム・ハソン

これは韓国人のみならず、アジア出身内野手としても初の快挙であり、日本にも前例がない。攻撃面でも打率2割中盤から後半に加え、20本塁打近いパワーを備え、2023年には38盗塁を記録した実績もある。

次にキム・ヘソン(ロサンゼルス・ドジャース)が続く。2025シーズンはレギュラーではなかったが、71試合に出場し、打率0.280、3本塁打、17打点、13盗塁、OPS0.699をマークした。ポストシーズンのロースターにも入り、ワールドシリーズ制覇も経験している。

さらにソン・ソンムンもアメリカへ渡った。サンディエゴ・パドレスと4年総額1500万ドル保証の契約を結んだ。

ショートとサードはすでに固まっているチーム事情から、セカンドを狙うことになるが、他のポジションもこなせるユーティリティ性が評価されている。ソン・ソンムンまで成功すれば、KBOリーグ出身のショート・セカンドの価値はさらに高まる可能性がある。

ソン・ソンムン
(写真提供=OSEN)ソン・ソンムン

これまで数多くの選手がメジャーリーグに進出し、イチローは殿堂入りも果たした。しかし、ショートとセカンドに限っていえば、日本は韓国に後れを取っている構図だ。日本には韓国をうらやむ声もあり、「すべてがうまくいけばいい」という思いに近いが、少なくとも数の上では劣っているのが事実である。

一方、韓国も日本をうらやましく思っている。現在、メジャーリーグでプレーする韓国人投手は1人もいない。KBOリーグ経由でも、アマチュア契約でも同様だ。「パワーヒッター」も同じで、KBOリーグ自体で希少になりつつあり、海外に送り出せる人材がいないのが現状だ。

野球のレベル自体は、日本が韓国より高いことは明らかで、メジャーリーグ進出人数がそれを物語っている。ただ、韓国が優位を示す分野も確かに存在する。だからこそ、互いに「自分たちももっと活躍したい」とうらやみ合う構図が生まれている。どこか不思議な関係だ。

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