心配したよりも回復傾向は速いようだ。17日午前、アル・エグラ・トレーニングセンターで行われたチーム練習でも、例外なく1時間ほどウォーミングアップに励んでいた。
ただ、左目周辺というあまりにデリケートな箇所を怪我したため、初戦が行われる24日までに完全に回復する可能性は低い。選手本人の言う通り、リスクを抱えたままプレーしなければならないわけだ。
ただ、韓国代表には、ソン・フンミン以外にもカタール到着以降で正常なトレーニングを消化できなかった選手がさらに2人いる。
左サイドバックのDFキム・ジンス(30、全北現代モータース)と、サイドアタッカーのFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)がその2人だ。
キム・ジンスは10月上旬に痛めた右ハムストリングの負傷からリハビリ中だ。国内で実施したキャンプでも個人でリハビリに努め、W杯前最後の強化試合であるアイスランド代表戦も欠場した。カタールでも、到着後3日目までチーム練習をまともに消化しなかった。
ファン・ヒチャンもキム・ジンス同様にハムストリングの違和感を訴えた。2人はソン・フンミンとともに、16日までは一部の時間だけを消化していた。幸い、17日午前の練習では2人は完全にチーム練習を進めていた。
あいにく、3人ともパウロ・ベント監督体制の韓国代表で中核を担う選手という共通点を持つ。
ソン・フンミンは代替不可能なエースであり、ファン・ヒチャンは韓国代表の“突撃隊長”だ。現在の代表でファン・ヒチャンほど1対1に強いフォワードはいない。それだけ爆発的なスピードとドリブル、フィニッシュ能力を兼ね備えた選手というわけだ。
キム・ジンスも欠かせない選手だ。国内Kリーグ最高の左サイドバックであるキム・ジンスは、ベント監督が要求するパスサッカーのキープレーヤーである。
ベント監督のサッカーはディフェンダー、特にサイドから始まるため、サイドバックの主力が抜けると構想通りのサッカーが上手くいかなくなる。左サイドバックにはもう一人、DFホン・チョル(32、大邱FC)がいるが、キム・ジンスはそれ以上の存在感を持っている。
ウルグアイ代表とのグループステージ初戦が行われる11月24日まで残りわずかだ。短くない時間だが、かといって長い時間でもない。この期間、3人の選手はリハビリに集中する見通しだ。韓国代表も総力を挙げてリハビリに注力している。
特に、筋肉負傷のあるキム・ジンス、ファン・ヒチャンは、韓国から空輸したさまざまな治療装備を通じて徹底的に管理されていることがわかった。ひとまず、メディカルチームでは「大きな問題はない」と判断されている点に希望を感じる。
ファン・ヒチャン本人も、「2週間前からハムストリングに痛みがあったが、かなり良くなった。近いうちにチームトレーニングを一緒にできそうだ」と話していた。
とはいえ、負傷悪化はW杯最大の敵だ。ベント監督が彼らを無理にチーム練習に合流させないのも、今すぐのトレーニングよりリハビリが重要だからだ。
ウルグアイ代表戦はもちろん重要だが、それがすべてではない。初戦で全力を尽くした結果、負傷がさらに悪化してしまえば、続くガーナ代表戦、ポルトガル代表戦すべて失敗することになる。あえてリスクを甘受して練習を進める必要はない。
初戦までいよいよ1週間を切った。この期間でどれだけ回復することができるかで、韓国代表の成績も大きく変わることになるだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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