ウルグアイ代表を分析することにも気を使わねばならないのに、韓国代表のベストな布陣と戦術を組む構想がまだ終わっていないように見えるからだ。
もちろん、本番までまだ10日間ある。この期間中、ベント監督はプランAはもちろん、万が一に備えたプランBの下図まで明確に設計しなければならない。
プランAは攻撃陣が正常軌道から離脱してしまい大揺れだ。キャプテンのソン・フンミン(トッテナム)の眼窩骨折手術や、ファン・ウィジョ(オリンピアコス)の長期低迷の影響が大きい。攻撃陣はファン・ヒチャン(ウォルヴァーハンプトン)、チョン・ウヨン(フライブルク)らほかの欧州組FWの活用を極大化するデッサンを描いてみる価値がある。
問題は2列目と守備陣だ。韓国代表は6月にベストメンバーのブラジル代表をホームに迎えるも、1-5で大敗した。「W杯レベルのチーム」との試合で、韓国の守備陣がどれほど無気力かを如実に表した試合だった。
ブラジル戦以後、ベント監督に対してW杯本大会に備えたプランBの守備戦術を求める声が大きくなった。チョン・ウヨン(アル・サッド)のワンボランチではなく、専門的な守備型MFをもう1人配置する「ダブルボランチ」、守勢時にファイブバックに切り替える「3バック」の稼動などが、その核心だった。
しかしベント監督は、「我々ならではのやり方でプレーする」とし、欧州組を含めて完全体で行った最後の「W杯模擬試験」となった今年9月の国際Aマッチ2連戦(コスタリカ、カメルーン戦)でも、「4バックとワンボランチ」を基本とした後方からのビルドアップサッカーに固執した。
ところが、W杯最終メンバー発表前日。つまり、9月11日のアイスランド戦でベント監督は3バックだけでなく、チョン・ウヨンとソン・ジュンホ(山東泰山)によるダブルボランチまで実験した。
韓国代表もアイルランド代表も、いずれも主軸選手が抜けた状態なので、実験の意味は少なかった。現実的に「遅すぎた」という声も出たほどだ。
また、ベント監督は昨年3月の日本代表との親善試合以降、一度も実戦で活用していないイ・ガンイン(マジョルカ)をW杯最終メンバーに入れた。
スペインでトップクラスのMFに生まれ変わったイ・ガンインは、以前から韓国代表にとってユニークな武器になるだろうという見方が多かった。にもかかわらず、ベント監督はイ・ガンインにそっぽを向いてきた。はたして本大会ではどれだけイ・ガンイン活用を極大化するのか、疑問を抱かせる。
しかも、韓国はウルグアイ戦までの10日間、実戦がない。練習だけをしてW杯本大会に臨む。プランBに苦心する感じすらないベント監督を見ていると、首を傾げたくなるが、韓国代表の武運を祈るしかない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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