【写真】「消えろ」「出ていけ」の怒号も…韓国の絶対王者に異変、一体何が?

2022年09月15日 サッカー #Kリーグ

試合は勝利したにもかかわらず、どこか負けたような雰囲気だった。韓国Kリーグ1(1部)5連覇中の絶対王者・全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースの話だ。

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9月14日、Kリーグ1第32節の全北現代対城南(ソンナム)FCが行われた全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場。

この日、スタジアムの雰囲気は殺伐としていた。

というのも、試合前や試合中に応援席の全北現代サポーターが、ホ・ビョンギル代表取締役やキム・サンシク監督、さらにはコーチングスタッフの名前を挙げ、「消えろ」「出ていけ」などと叫んでいたからだ。

これだけでなく、ホ代表取締役とキム監督を集中的に狙った横断幕も掲げられていた。

また、「全北は我々の自負心」「全北☆愛」などといったチームを応援する横断幕は、逆さの状態で掲示されていた。

抗議を目にした選手たち「心が痛い」

全北現代は今シーズン、優勝争いの最大のライバルである蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)に後れを取っている。

この日の第32節が行われる前まで、首位の蔚山現代と勝ち点7差の2位につけていた。

ただ、それより残念なのはホームでの成績だった。今季の全北現代は、アウェーで11勝2分3敗(勝ち点35)とKリーグ1で最も優れた成績を挙げているにもかかわらず、ホームでは5勝8分3敗(勝ち点23)と対照的な姿を見せている。

試合内容も貧弱で、“全州城の虎”とも呼ばれたかつての威容がまったく消え去ってしまったようだった。

全北現代サポーターはそれだけでなく、ホ代表取締役とキム監督とのコミュニケーション問題も指摘し、活発に抗議をしている。この日の行動もこれらの脈絡から登場したものだった。

選手たちは試合前はもちろん、試合中もサポーターが激しく叫ぶ声を自らの耳で聞いた。応援も同時に行われていたとはいえ、選手の立場としては落ち着かざるを得ない雰囲気だった。

だからこそ、試合で勝利したにもかかわらず、選手たちの雰囲気は落ち込んでいた。

キム監督、ホ代表取締役を批判する横断幕を掲げる全北現代サポーター

試合後、取材に応じたMFペク・スンホ(25)は「こうした雰囲気が残念なのは事実だ。戸惑いもあった。監督やコーチングスタッフは皆最善を尽くしている。まだ可能性がある状況なのに心が痛い。選手たちもこのことについてたくさん話している。自分たちがもっと頑張らなければならない。ファンの方々も最後まで信じて応援してほしい」と要請した。

DFキム・ジンス(30)も、「理解できないわけではないが残念だ。自分たちが上手くできなくて申し訳ない」と心境を吐露した。

この日の試合を見守ったサッカー関係者たちも心配していた。とあるサッカー関係者は「ファンの立場は理解できるが、試合中は自制していただきたい。選手たちのパフォーマンスに影響を及ぼさざるを得ない」と伝えた。

また別の関係者も、「よほどのことならそうかもしれないが、“過ぎたるは猶及ばざるが如し”だ。むしろチームに悪影響を及ぼしかねない」と指摘した。

「まだ諦めるときではない」

全北現代は同日、城南FCに1-0で勝利した。また、同時刻に行われた蔚山現代対仁川(インチョン)ユナイテッドは0-0の引き分けに終わった。

このため、全北現代は蔚山現代との勝ち点差を「5」にまで縮めることになった。残り6試合で十分に逆転が可能な勝ち点差だ。

近年の全北現代は最終盤に底力を発揮し、優勝争いの構図を覆してきた。今季はシーズン通して蔚山現代に先頭を譲ってきたが、同じ奇跡が起きるかもしれない。

2006年のプロデビューから全北現代一筋でプレーしているベテランDFチェ・チョルスン(35)は、「こうした雰囲気は自分も初めて見る」と驚きつつも、「まだ諦めるときではない。全員が心を一つにするときだ。応援してほしい」と思いを伝えた。

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