欧州組不在の不安を払しょくする活躍ぶりだ。
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パウロ・ベント監督率いる韓国代表は来る7月24日、豊田スタジアムで行われるE-1サッカー選手権の第2戦で香港代表と対戦する。
去る20日の中国代表との初戦では、オウンゴールで先制した後、MFクォン・チャンフン(28、金泉尚武)、FWチョ・ギュソン(24、金泉尚武)がゴールを決め、3-0の完勝を収めた。
韓国代表は、チームスタイルである「後方からのビルドアップ」を中国戦でも披露した。そして、その中心にいたのがMFファン・インボム(25、FCソウル)だ。
前回の2019年大会では、日本代表相手に決勝ゴールを決め、韓国代表を大会3連覇に導いたファン・インボム。
今回は右手の指の負傷を抱えながらも大会に臨み、この日は復帰後2試合目の出場だった。中国戦では前半序盤、転倒して苦痛を訴える場面もあったが、それでも80分間プレーした。
ファン・インボムのいるところに、韓国代表のビルドアップがあった。後半に決まった2ゴールも、すべてファン・インボムの足から始まった。
韓国代表中盤の責任を負うMFイ・ジェソン(29、マインツ)、MFチョン・ウヨン(32、アル・サッド)など、欧州組が不在のなかで、ファン・インボムの存在感はさらに目立った。
ファン・インボムは前半、2列目で攻撃に集中していたが、後半には一列後ろに下がり、パスの散らしと試合コントロールに集中した。リードを得た状況で、攻守のバランス維持に集中したのだ。もはやファン・インボム抜きに今の韓国代表を論じることはできない。
ファン・インボムが中盤を支配したとすれば、前線にはチョ・ギュソンがいる。チョ・ギュソンは中国戦で先発フル出場し、1ゴールを記録した。
自身にやってきたチャンスを逃さなかった。後半35分、途中出場のMFコ・ヨンジュン21、浦項スティーラース)のスルーパスで裏に抜け出したチョ・ギュソンは、相手GKとの1対1を冷静に制し、試合を決定付ける3点目を記録した。
まさに“ワンショット・ワンキル”だ。チョ・ギュソンは6月のエジプト代表戦に続き、Aマッチ2試合連続得点に成功した。
先週行われたチームKリーグ対トッテナムの親善試合でも、プレミアリーグの屈強なDF相手にヘディングゴールを決めたチョ・ギュソン。今季Kリーグ1では韓国人最多の12ゴールを記録しており、その決定力の高さをE-1初戦でも見せつけた形だ。
主力ストライカーのFWファン・ウィジョ(29、ボルドー)が合流できないなか、チョ・ギュソンは事実上、今回のE-1選手権を戦う韓国代表唯一のストライカーだ。FWチョ・ヨンウク(23、FCソウル)はフォワードに分類されているものの、正統派のストライカーではない。
チョ・ギュソンはいつの間にか、ファン・ウィジョに匹敵する地位にまで上り詰めた。来る香港戦でも先発として出場する見通しだ。香港にはフィジカルの優れたDFがそろっているが、チョ・ギュソンにとっては再び自身のパフォーマンスを証明する機会といえる。
ファン・インボムにはじまり、チョ・ギュソンがフィニッシュする攻撃の流れが、韓国代表の新しいオプションとして浮上するのか。E-1選手権残り2試合での戦いぶりを注視したい。
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