元G大阪キム・ヨングォンがたどる“師匠”ホン・ミョンボの歩んだ道「最後のW杯かもしれないが…」【インタビュー】

「2002年のときは33歳だった。W杯を見つめる視線や責任感が違った」(ホン・ミョンボ監督)

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「もう33歳。僕ももうチームを考えるようになった。最後という覚悟で臨んでいる」(キム・ヨングォン)

サッカー韓国代表の“最後の砦”であり、後方からのビルドアップで始発点の役割を果たすDFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)は、”魂の師匠“ホン・ミョンボ監督のような美しいフィナーレをW杯で夢見ている。

“永遠のリベロ”と呼ばれたホン・ミョンボ監督は現役時代、1990年イタリアW杯から2002年日韓W杯まで、4大会連続でワールドカップの舞台に出場した。

韓国サッカーが辺境の歴史を打ち崩し、日韓W杯でベスト4進出を達成した当時、キャプテンマークを巻いて韓国代表の守備をリードしたホン・ミョンボ監督はブロンズボールも受賞した。

日韓W杯決勝トーナメント準々決勝のスペイン戦ではPK戦までもつれた際、韓国の最後のキッカーを務め、歴史的なベスト4入りを決定付けるPKを成功させたのち、満面の笑みを見せた姿は、ホン・ミョンボ監督のサッカー人生に欠かせない名場面だ。

ホン・ミョンボ監督はディフェンスの選手であったにもかかわらず、韓国代表選手史上初となる単一大会2得点(1994年アメリカW杯)の記録も立てたことがある。

1994年アメリカW杯でのホン・ミョンボ

キム・ヨングォンは“師匠”の歩んだ道を着実にたどっている。

2014年ブラジルW杯で初めてワールドカップを経験したキム・ヨングォンは、当時グループステージ敗退(1分2敗)という辛い記憶を抱いた。しかし、4年後の2018年ロシアW杯では再びグループステージ敗退に終わったものの、安定感のある守備、さらには2-0で勝利したドイツ代表戦での決勝ゴールで一躍国民的英雄となった。

そして。今年11月に控えるカタールW杯で、キム・ヨングォンは自身3度目のW杯出場を控えている。

韓国の数え年で今年33歳になるキム・ヨングォンは、ホン・ミョンボ監督が日韓W杯に出場したときと同じ年齢になる。センターバックという共通分母が存在する2人は、お互いに理解する地点も近い。

また、2人は2009年U-20W杯(ベスト8)に始まり、2012年ロンドン五輪(銅メダル)、2014年ブラジルW杯と、世代別代表からA代表まで指定の縁を結んできた。

キム・ヨングォン(左)、ホン・ミョンボ(右)

ホン・ミョンボ監督は「初めてW杯に出場したときは、“自分が選ばれたんだ”という喜びと誇りに満ちている。しかし、2回、3回と大会を重ねると、どれだけ重厚感のある舞台であるかを実感し、プレッシャーを感じることになる。ヨングォンもそのようなことを感じているはずだ」と語った。

キム・ヨングォンは「これまでのW杯は“自分がどれだけ上手くやれるか”という心配が先行していたとすれば、今はチームの目標をどのように達成すべきかを悩んでいる。幸いにも今回は、パウロ・ベント監督の下で4年間、常に同じサッカーをしてきたことが良いシナジー効果を発揮しそうだ」と述べた。

ソン・フンミンと抱擁するキム・ヨングォン

守備陣にとって“ベテラン”の肩書きはどのポジションよりも肩が重くなるものだ。「私は3バックの中央に立つことが多かったので、両サイドのストッパーをしっかりリードしなければならなかった。ヨングォンは4バックの中央で責任を担うことが多いだけに、ある意味(過去の自分と)似た役割をしている。今回は年長者としてしなければならないことが多いはずだ」とホン・ミョンボ監督は話す。

これにはキム・ヨングォンも「守備は1人だけ上手ければ良いものではない。初めて出場したブラジルW杯後、“ちょっとだけの準備じゃダメだ”と感じ、ロシアW杯前には練習量を大幅に増やした記憶がある。その結果上手く行った」とし、「DF全員が渾然一体となって万全の準備をしなければならない」と強調した。

“怪物”と呼ばれるDFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)とコンビを組むことについては、「ミンジェはとても素晴らしい選手だ。そのため、僕は後ろで支える役割をすべきだろう」と意気投合を誓った。

キム・ヨングォン(左)、ホン・ミョンボ(右)

ホン・ミョンボ監督は「ヨングォンは世代別代表のときから安定して守備、パス能力が優れていた。今は試合を読む視野がさらに広くなった。ベント監督体制の韓国代表のビルドアップにマッチした選手だ」とし、「ただ、W杯はより強い選手と戦わなくてはならないので、マンツーマンの守備をより強化する必要がある。また、ヨングォンは時々集中力が落ちて、ミスが出てしまうときがある。もうよい年齢だからしっかり休みながら、コンディション調整にもっと気を使わなければならない」とアドバイスを送った。

これにキム・ヨングォンは「なので、普段は摂らない栄養剤も補給している」と笑った後、「監督の言葉通り、W杯では強者と対戦するだけに、持っているものを120%発揮しなければ勝つことはできない。最近は年齢を考慮してウェイトトレーニングも気にしている」と強調した。

完璧なコンディションを整え、希望するフィナーレを飾るための先決条件は「Kリーグ優勝」ただ一つ。今季、ホン・ミョンボ監督に呼ばれて海外生活を清算し、蔚山現代を通じてKリーグに初進出したキム・ヨングォンは代えの効かないセンターバックとして活躍している。

現時点で蔚山現代はKリーグ首位を走っているだけに、チーム悲願の17年ぶりリーグ優勝を達成してカタール行きの飛行機に乗れれば最高だろう。

ホン・ミョンボ監督は「ヨングォンは今回のW杯が最後になるかもしれないが、韓国サッカー界が期待するものも大きいので、良い結果で終えてほしい。何より、ほかの選手の模範になってくれれば」と激励した。

キム・ヨングォンは「まずは蔚山現代で優勝トロフィーを掲げ、それからカタールに向かわなければならない。ワールドカップは最高の舞台なだけに、最高の状況に、最高の状態で行きたい。必ずサッカーファンの信頼にチームメイトとともに恩返ししたい」と笑った。

(写真提供=蔚山現代)ホン・ミョンボ監督(左)、キム・ヨングォン
『スポーツソウル』創刊37周年を記念して贈られた2人のサイン。上がホン・ミョンボ監督、下がキム・ヨングォン

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