「いつかまたウルグアイと対戦したいと常に思っていた。後輩たちが雪辱を果たしてくれると信じている」
2010年南アフリカW杯で韓国代表を率い、同国史上初となる「国外開催のW杯ベスト16入り」に導いたホ・ジョンム元監督が、カタールW杯の組み合わせ結果を受けて強い口調でこう語った。
去る4月2日にカタール・ドーハで行われた組み合わせ抽選会で、韓国はウルグアイ、ポルトガル、ガーナと同居したグループHに入った。
現在はKリーグ2(2部)の大田(テジョン)ハナシチズンで理事長を務めるホ・ジョンム氏は、「今も12年前のあの時が思い出される。たまに(再び代表監督を務め)ウルグアイと対戦し、雪辱する夢も見る」と笑いながら、「パウロ・ベント監督率いる現代表には、ぜひカタールで“恨み”を晴らしてほしい」と伝えた。
韓国はこれまでウルグアイとはW杯で2度対戦し、いずれも敗れている。初対戦の1990年イタリアW杯ではグループステージで0-1と敗れ、2度目の対戦となった2010年南アフリカW杯では決勝トーナメントで1-2と敗れた。
特に南アフリカ大会では、ウルグアイと対等な勝負を見せながらも、相手FWルイス・スアレス(35、アトレティコ・マドリード)の2ゴールで惜しくも敗れた。一時はMFイ・チョンヨン(33、蔚山現代)が後半に決めた同点ゴールで準々決勝進出への希望を膨らませたが、終盤の決定力の差が明暗を分けることになった。
南アフリカの地で韓国を敗退に追い込んだスアレスは、今回のカタールW杯でも韓国と相まみえる可能性が高い。
「スアレスのことは本当に忘れられない。とても優秀な選手だった」と、当時のスアレスを高く評価したホ・ジョンム氏。ただ、「今は全盛期を過ぎた。時々(スアレスが出場している)試合を見るが、鋭い動き出しなどは(20代の頃の)南アフリカ大会とは確実に違っている」と、12年が過ぎてパフォーマンスに変化が生じたと語る。
続けて、「ウルグアイは独特のチームだ。南米勢はテクニックをメインに試合を展開するが、ウルグアイは守備も強く、体力勝負を楽しむ情熱的なチーム」と自身の分析を語った。
そして、今大会では韓国がウルグアイに勝てる可能性が十分にあると予想。ホ・ジョンム氏は「個人的には現代表が(ウルグアイを)十分破れると思う。特に、DFラインのキム・ミンジェ、キム・ヨングォンのレベルが非常に高い。ファン・インボム、チョン・ウヨン、イ・ジェソンら2列目の構成も非常に良い。ウルグアイとは十分に戦えるだろう」と伝えた。
また、「南アフリカ大会でのベスト16の成績は早く破られるべきではないかと思う」とし、ベント監督率いる現代表が、自身が率いた当時の成績を上回ってくれることへの願いを述べた。
12年ぶりにW杯でウルグアイと相まみえる韓国に期待を寄せるのはホ・ジョンム氏だけではない。
南アフリカW杯でのウルグアイ戦でゴールを決めたイ・チョンヨンも、「希望要素が多い」と強調。「組み合わせ結果を見て妙な気持ちになった。南アフリカで会ったウルグアイと同組になるとは思わなかった。ウルグアイとの縁は後輩につながったが、自分たちのときと違う結果になることを願っている」と伝えた。
イ・チョンヨンは「スアレスだけでなくディエゴ・フォルラン、ディエゴ・ゴディンなど、攻守両面で優れたバランスを持つとともに、爆発力も兼ね備えたチームだったと記憶している」とし、「スアレスの2ゴールはいずれも刹那の瞬間に生まれた。当時は技術と覇気が飛び抜けていたが、今はそこに経験と貫録を加えている」と警戒した。
それでも、W杯アジア最終予選で好成績を収めた現在の韓国代表に対する期待は大きい。
「より多く分析し、積極的に守備をすれば良い結果が生まれるはずだ」と強調したイ・チョンヨンは、「イラン戦で魅せた堅実な攻守バランス、イラク戦で証明した攻撃力など、これまでチームがしっかり準備してきたことを世界の舞台で見せつけてくれることを期待している」と伝えた。
なお、韓国はカタールW杯グループステージで11月24日(日本時間)にウルグアイ、同月28日にガーナ、12月2日にポルトガルと対戦する。会場はいずれもアル・ラーヤンのエデュケーション・シティ・スタジアムで開催される予定だ。
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