パーフェクトと言っても過言ではないセンターバックのコンビネーションだった。
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現在までに8試合が行われたカタールW杯アジア最終予選で、韓国代表は失点数をわずかに「2」に抑えている。
特に、昨年11月の第5戦UAE代表戦から、今年2月1日の第8戦シリア代表戦までは4試合連続無失点を記録した。
これは安定感のある守備を披露したDFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)、DFキム・ヨングォン(31、蔚山現代)の両センターバックの活躍が大きい。DFクォン・ギョンウォン(30、ガンバ大阪)やDFパク・ジス(27、金泉尚武)など、国内トップレベルの選手でも代表で出場機会を与えられていない理由はそこにある。
守備はどのポジションよりも組織力が重要だ。特に、センターバックの組み合わせは連携面はもちろん、役割の区分が必要となる。そのため、集まる機会が限られる代表では守備陣に多くの実験を施し、並行して選手をチェックすることが一般的だ。
ただ、10大会連続11回目の本大会出場を決めた今回の韓国代表は、守備陣にこれといったトラブルやアクシデントはなかった。それだけ、キム・ミンジェとキム・ヨングォンのコンビに隙がなかったのだ。
キム・ミンジェはアジアレベルを超えた強靭なフィジカルを武器に、毎試合で対峙する相手のエースを思う存分に制してきた。身長190センチ、体重88キロの優れた体格で空中戦やフィジカルバトルではほとんど負けることがなく、スピードも兼ね備えているためカウンター阻止にも大きく貢献した。
特に、1日のシリア戦では相手のFWオマル・ハルビン(28、アル・ワフダ)を完璧に消した。ハルビンは国際Aマッチ45試合18ゴールの実績を持つシリア有数のストライカーだったが、キム・ミンジェの前ではその脅威も半減した。
国際Aマッチ89試合出場の経験を誇るキム・ヨングォンは、ベテランらしい堅実な守備が光った。
加えて、貴重な左利きのセンターバックであるうえ、パス能力にも優れていることから、パウロ・ベント監督が重要視する後方からのビルドアップに最も適するDFとなった。
キム・ヨングォンは豊富な経験を土台とした老練な守備で、相手の攻撃の“脈”をシャットアウトする仕事をやり遂げた。そのほか、代表内でもベテランに当たるキム・ヨングォンは、ピッチ内外でチームメイトをけん引するリーダーシップも発揮してみせた。
キム・ミンジェとキム・ヨングォンは、負傷などのアクシデントがない限り、来る11月のカタールW杯本大会でもコンビを組んでプレーする可能性が高い。
W杯のキャリアで見ると、前回の2018年ロシア大会は脛骨骨折で出場が叶わなかったキム・ミンジェは、今大会が初のW杯出場に。一方、キム・ヨングォンは2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会に続く3度目のW杯となる。
アジアではトップレベルの守備を誇るキム・ミンジェとキム・ヨングォンのコンビが、本大会で世界相手にどんなパフォーマンスを発揮してくれるのか。本大会出場が決まったばかりの今から、早くも注目が集まっている。
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