「いつかは指導者としてJリーグで」チェ・ヨンスがKリーグで監督復帰した理由【一問一答】

「私から切迫さを感じ、近づかなければならない」

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“難破船”とも比喩されるほど危機に陥っている江原(カンウォン)FCの新指揮官に就任し、約1年4カ月ぶりに現場復帰したチェ・ヨンス監督は、こう話すと唇をかんだ。

11月18日、江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)市の江原道庁ブリーフィングルームで行われた就任記者会見で、チェ・ヨンス監督は「私を選択してくれたチェ・ムンスン江原道知事、江原FCのイ・ヨンピョ代表取締役に感謝の言葉を申し上げたい」とし、「チームはとても厳しい状況だが、困難な時を切り抜けた経験がある。選手たちが自信を持って克服できると信じている。(選手たちの顔を)早く見たい」と語った。

江原FCは去る16日、チームの第9代目となる新監督にチェ・ヨンスを選んだことを発表した。

今季Kリーグ1(1部)残り2試合で9勝12分15敗の勝ち点39とし、昇降格プレーオフ圏内の11位(12チーム中)につける江原FC。自動降格となる最下位の光州(クァンジュ)FC(勝ち点36)ともわずかに3ポイント差で、直近5試合は2分3敗と一度も勝てずにいる。

江原FCは今月3日、浦項(ポハン)スティーラースに0-4で大敗した後、翌4日にキム・ビョンス前監督を解任した。そこでイ・ヨンピョ代表取締役は、“監督代行体制”を取らずに新監督を探すことを優先した。強力なリーダーシップを土台に2部降格を防ぎつつ、新たなビジョンを描けるベテラン指導者を探していた。

候補には東京五輪でU-24韓国代表監督を務めたキム・ハクボムをはじめ、城南(ソンナム)FCコーチのチョン・ギョンホ、FCソウルで監督代行を務めたイ・ウリョン、韓国代表コーチのチェ・テウクなどが浮上したが、最終的にはチェ・ヨンスに落ち着いた。

イ・ヨンピョ代表取締役とチェ・ヨンス監督は、かつて2002年日韓W杯で韓国代表のベスト4進出をともに経験したメンバーでもある。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)チェ・ヨンス監督

チェ・ヨンス監督は1994年にLGチータース(現FCソウル)でプロデビュー後、ジェフ千葉、京都、磐田とJリーグで得点を量産。韓国代表でも1996年アトランタ五輪、1998年フランスW杯、2002年日韓W杯に出場し、国際Aマッチ69試合27ゴールと、韓国の看板ストライカーとして活躍した。

2006年にFCソウルで引退後はコーチとして入閣し、2011年の監督代行を経て2012年から監督に就任。以降、2016年までにKリーグ優勝、FAカップ優勝、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準優勝などを果たした。

その後は中国の江蘇蘇寧でもリーグ準優勝とカップ準優勝を経験。2018年のシーズン途中には降格危機に喘いだFCソウルの監督に再就任し、チームを残留させると、翌2019年はリーグ3位でACL出場権を確保した。ただ、2020年途中、成績不振を理由にFCソウルの監督を辞任していた。

チェ・ヨンス監督は当初、江原FCからのオファーを丁重に断ったが、イ・ヨンピョ代表取締役の誠意ある説得を受け、指揮を執ることを決断した。

チェ・ヨンス監督の江原FCの初陣は、来る11月28日にアウェーのソウルワールドカップ競技場で行われるKリーグ1(1部)第37節のFCソウル戦。偶然にも以前まで監督を務めていた“古巣”との対戦となった。

「Jリーグでの経験が視野を広げた」

以下、チェ・ヨンス監督との一問一答。

―Jリーグからもラブコールが届いたとされているが、江原FCを選択した理由は。

選手生活をしながら視野が広がったのが、5年間のJリーグでの経験だった。いつか指導者としてもう一度Jリーグでやりたいと思っていた。

ただ、そんな状況で、普段から信頼関係を維持していたイ・ヨンピョ代表取締役からオファーを受けた。現在ではなく未来について話し合った。自分が説得されたというより、心が動いたという感覚だ。

指導者という職業は常に挑戦の連続だ。口に出してはいけないのは“諦め”だ。FCソウルでは2018年に(降格危機という)厳しい時期を過ごしたが、最終的に生き残ったことがある。(FCソウルでは)温室内の草花のような指導者生活を送っていたが、また挑戦したかった。

―江原FCの状況は非常に良くない。そもそも監督就任受け入れを引き留めようとする声もあったようだが。

内外でさまざまな話が飛び交ったようだが、選手の能力で他チームより劣っているとは思わない。過度期に置かれただけだ。私が江原FCを選択した理由は、江原FCをより大きなクラブ、ファンを感動させられるクラブに作り上げたいという意志にある。クラブや選手、支援スタッフと上手くやれば、ポジティブな要素は多いと感じた。

―偶然にも江原FCでの初采配が古巣のFCソウル戦となるが。

私のルーツと言っても過言ではないチームだ。FCソウルには常に感謝の気持ちを抱いて生きてきた。しかし、我々は勝負の世界にいる。時間は多くないが早く内部を診断し、選手たちの自信を高めて勝つ試合をしたい。簡単に引き下がりたくはない。自分のキャリアを過信するつもりはない。私から切迫さを感じ、近づかなければならない。

―チェ・ヨンス監督が見せたい江原FCのサッカーとは。

キム・ビョンス前監督がとても魅力的なサッカーをしていた。普段から好きな先輩だ。長所を活かしながら補完点を探したい。まずは守備を堅固にすることだ。江原FCは失点がやや多かった。きょう未明に(江原に)移動しながら(試合を)見たが、今シーズンは逆転勝利が一度ぐらいしかなかった。底力が足りないと感じた。メンタルも強くしなければならない。

―今日、選手との初顔合わせでどのような話をするのか。

個人の成功のためにチームを利用することは好きではない。犠牲し、献身しなければならず、一試合一試合ですべてを注がなければならない。それができなければプロではない。さっきも話したが、逆転勝利が1試合しかないのは問題だ。選手に“自分たちが主人公である”というようなメンタルを持つよう強調する。

―イ・ヨンピョ代表取締役との関係性は。

(イ・ヨンピョ代表取締役は)サッカー人の後輩であり、非常に頼れる存在だ。選手時代は華やかなキャリアを持っていた。彼のことは常に尊敬している。イ・ヨンピョ代表取締役がどう考えているかはわからないが、私がどう話せば良いか…少し難しくなったようだ(笑)。だが、決心したからにはお互いの役割分担を徹底的に行うつもりだ。現場では私がすべきことが多いだろう。

―健康上の問題があったが、現在はどうか。

昨年と今年初めに2度、自分の体に手を出したが、今は順調に回復している。私の健康より江原FCの健康の方がもっと重要だろう。

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