U-24韓国代表MFイ・ガンイン(20、バレンシア)が、“人生初の師匠”であるユ・サンチョルさんに追悼の意を表した。
イ・ガンインは6月8日にインスタグラムを更新。元韓国代表のユ・サンチョルさんを追悼する文章を掲載した。すい臓がんと闘病中だったユ・サンチョルさんは、前日の7日に49歳の若さで亡くなっていた。
イ・ガンインは「僕のサッカー人生で初めての師匠であるユ・サンチョル監督」と切り出すと、「僕がサッカー選手という夢だけを持ってひたすら天真爛漫だった頃、ユ・サンチョル監督と初めてお会いしました。監督は僕に初めてサッカーの楽しさを教えてくれた、恩人とも呼べる方でした」と感謝を述べた。
続けて、「僕に施してくださったご恩に報いることもできないうちに、先に世を去られてしまい、とても心が痛いです」と悲しみを明かすと、最後は「これからもっと頑張って努力し、よりよい選手になることが、僕が監督に差し上げられる一番の喜びだと思います。今いらっしゃるところで、ずっと見守っていてください」と伝えた。
イ・ガンインとユ・サンチョルさんの縁は深い。というのも、去る2007年に韓国で放送されたスポーツバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で、FCシュットリの監督を務めたユ・サンチョルさんと、当時まだ幼いイ・ガンインが共演した経験があるからだ。
満6歳だったイ・ガンインは、その頃からドリブルやパスなど驚異的なテクニックを披露し、視聴者のみならずユ・サンチョルさんも驚かせた。特に、当時イ・ガンインがユ・サンチョルさんとのクロスバーチャレンジで勝利したシーンは、今も名シーンとして語り継がれている。
ユ・サンチョルさんは当時、イ・ガンインについて「もはや大人として見た方が良い。大人を小さくしたようだ。私の年齢層でも難しい技術を彼は持ち合わせている。全国トップと言っても過言ではない」とポテンシャルを高く評価していた。
つまり、イ・ガンインにとってサッカー人生初めての“師匠”とも言える存在が、ユ・サンチョルさんだったのだ。
ユ・サンチョルさんは2019年10月にすい臓がんの4期(ステージ4)であることを公表。その後、ユーチューブで公開された自身のドキュメンタリー『ユービーコンティニュー』(原題)でイ・ガンインと再会した際、「一度でいいからガンインの試合を直接観てみたい」と話していた。イ・ガンインも「元気になったらぜひ来ていただきたい」と伝えていたが、その約束が実現することはなかった。
以下、イ・ガンインの投稿全文。
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僕のサッカー人生で初めての師匠であるユ・サンチョル監督。
僕が7歳の頃、サッカー選手という夢だけを持ってひたすら天真爛漫だった時代、『飛べ、シュットリ』という番組を通じてユ・サンチョル監督と初めてお会いしました。監督は僕に初めてサッカーの楽しさを教えてくれた、恩人とも呼べる方でした。
そのときの僕はまだとても幼かったですが、サッカーにおいてだけは、僕にいつも真剣で深みのある教えをくださいました。
あのときの教えが、これまで僕が歩んできたサッカー人生の意味ある第一歩だったような気がします。
僕に施してくださったご恩に報いることもできないうちに、先に世を去られてしまい、とても心が痛いです。
監督が僕にそうしてくれたように、僕もこれから後輩たち、そして韓国サッカーの明るい未来と無限の発展のために努力します。
これからもっと頑張って努力し、よりよい選手になることが、僕が監督に差し上げられる一番の喜びだと思います。
今いらっしゃるところで、ずっと見守っていてください。
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