ソウルワールドカップ競技場の芝問題と関連し、韓国国会の行政安全委員会(以下、行安委)が元イングランド代表MFジェシー・リンガード(31)を国政監査の参考人リストに掲載したことが10月8日までにわかった。
前日の7日、行安委は来る15日に開くソウル市の国政監査参考人としてリンガードを採択した。
リンガードを参考人として呼んだのは、革新系最大野党「共に民主党」のウィ・ソンゴン議員だという。
リンガードが所属するFCソウルは、同件について「行安委から連絡を受けた。国政監査の参考人として掲載したことと関連し、公文書を送るという」と伝えている。
FCソウルのホームスタジアムであり、韓国代表の国際Aマッチなどで使用されるソウルワールドカップ競技場は、去る9月5日に同地で韓国代表対パレスチナ代表の北中米W杯アジア3次予選が行われた当時、韓国代表キャプテンのFWソン・フンミン(32、トッテナム)が芝の状態を指摘したことで話題となった。
韓国サッカー界ではすでにソウルワールドカップ競技場をはじめ、Kリーグの多数の会場で芝の損傷が激しいことが言及されてきたが、ソン・フンミンの発言の影響力は大きかった。
リンガードもやはり、9月29日に同会場で行われたKリーグ1(1部)第32節の水原(スウォン)FC戦の試合後、「芝の状態が深刻だ」と残念がっていた。
芝をはじめ、ソウルワールドカップ競技場の施設管理の主体となるのは公共機関のソウル施設公団だ。
ウィ・ソンゴン議員は最近、ソウル施設公団から受け取った資料を公開した。同資料には、ソウル施設公団が今年8月末までにソウルワールドカップ競技場の芝管理に計2億5327万ウォン(日本円=約2776万円)を支出したという内容が記録されていた。
ただ、ソウル施設公団はソウルワールドカップ競技場でKリーグや主要なコンサートによる貸館によって、2024年だけで82億ウォン(約9億円)以上の収益を得たことが確認された。このため、芝に対する投資の費用が少ないとし、批判が殺到している。
また、芝の問題をめぐっては、コンサートなどによる損傷を指摘するサッカーファンとK-POPファンが対立する異例の事態も発生した。
結局、このソウルワールドカップ競技場の芝問題は国会でも取り上げられることになった。
もっとも、現役サッカー選手であるリンガードが、韓国国会の国政監査に出席するかは未知数だ。
Kリーグ1はシーズン残り5試合と最終盤に迫っているだけでなく、リンガードは後半戦からキャプテンマークを巻くなど、チームの主力を担っている。過去にはイングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドで公式戦200試合以上に出場し、イングランド代表として2018年ロシアW杯にも出場したリンガードは、今季からFCソウルでプレーしている。
何より、リンガードの参考人選定をめぐっては、ソウルワールドカップ競技場の芝問題を「政争のイシュー」にしようとしているという批判の声も上がっている。
とあるKリーグクラブの関係者は、「ソウルワールドカップ競技場の芝については、キ・ソンヨンなど既存の韓国人選手も声を上げてきた。にもかかわらず、突如としてリンガードを呼ぶのは、ただ有名選手を前面に出して注目を集めようとする目的に感じられる」と苦言を呈した。
ただし、韓国国会の国政監査の証人または参考人は、出席要求を受けた場合は従わなければならない。
仮に出席ができない場合は、出席要求日の3日前までに、国会議長や常任委員長に欠席理由書を提出しなければならない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
Copyright @ 2018 Sportsseoul JAPAN All rights reserved.
前へ
次へ