出発から不安が残った。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の頂点を狙う全北現代と蔚山現代が、“新顔”の適応という課題を抱えることになった。
全北現代と蔚山現代は、ACLグループステージで今シーズン初試合を行った。両チームとも満足できる結果ではなかった。
蔚山現代は、2月11日に行われたグループF第1戦でJリーグのFC東京とホームで対戦し、1-1の引き分けに終わった。FC東京に主導権を奪われた蔚山現代は、相手のオウンゴールでなんとか体面を守った。
全北現代は2月12日のグループH第 1戦で横浜F・マリノスと対戦し、1-2で敗れた。スコアは1点差だったが、ソン・ジュンホとイ・ヨンが退場するなど、内容的には完敗だった。
昨シーズンのKリーグで激しい首位争いを繰り広げた全北現代と蔚山現代は、今シーズンを控えて戦力を大幅に補強した。新たにチームに加わった“新顔”が多数いる。
しかしシーズン初戦では、互いに呼吸が合わない様子だった。
蔚山現代は中盤を新たに組んだ。
主軸だったキム・ボギョンとミッケル・ディスケルドがチームを去り、パク・ヨンウは入隊した。その穴を埋めるためにウォン・ドゥジェとコ・ミョンジンを迎え入れたが、適応するには時間が必要に見える。ノルウェー代表出身のFWビヨルン・ヨハンセンとジュニオールの組み合わせもスムーズではなかった。
改善の余地は残っている。
FC東京との試合に出場しなかったGKチョ・ヒョヌ、MFユン・ビッカラムがKリーグ開幕に合わせて出撃を準備している。負傷で抜けているユン・ヨンソンやデイブ・ブルタイスもコンディションを引き上げている最中だ。
全北現代も似たような状況だ。
横浜F・マリノスとの試合では、昨季Kリーグ2(2部リーグ)のFC安養で14ゴールを決め、可能性を見せたチョ・ギュソンが加入し、最初の試合でゴールを記録する活躍を見せた。
しかし初めて呼吸を合わせたキム・ボギョンと邦本宜裕は、所々で光るプレーを見せたが、まだ手が合っていなかった。
リカルド・ロペスとムン・ソンミンが去ったウインガーのポジションも、不在が強く感じられた。スピードを生かして攻撃の活路を開くような選手がいない。ムリロ・エンリケはドリブル突破するスタイルはないので、全北現代の悩みが深まると思われる。
全北現代は外国人枠が1つ残っており、適切な補強を進める計画だ。期待を一身に集める元南アフリカ代表FWラース・ヴェルドウィクの適応も見守りたい。
全北現代は今季、Kリーグ4連覇をはじめ、ACL優勝と韓国FAカップ優勝という、どのクラブも達成していない3冠を目指している。また昨シーズン目の前で優勝を逃した蔚山現代も、心機一転して新シーズンに臨む姿勢だ。
両チームが目標を達成するためには、新顔が早い段階でチームに溶け込み、既存の選手たちと相乗効果を生み出さなければならない。
前へ
次へ