64年間の恨みを晴らさなければならない。
ユルゲン・クリンスマン監督率いるサッカー韓国代表が、現体制の運命をかけたアジアカップへの本格的な一歩を踏み出す。
来年1月12日から2月10日にかけてカタールで開催されるアジアカップ。
韓国代表はキャプテンのFWソン・フンミン(31、トッテナム)を筆頭に、MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)、DFキム・ミンジェ(27、バイエルン・ミュンヘン)など史上最多かつベストパフォーマンスを維持した“欧州ビッグリーガー”を擁し、歴代最強と目されている。
日本やイランなどの競争国を越え、アジア王座奪還を成し遂げられるかに関心が集まっている。
韓国は歴代アジアカップにおいて、1956年の第1回大会と1960年の第2回大会で連覇して以降、準優勝を4度(1972、1980、1988、2015年大会)記録した。
”アジアの虎”を自負していながら、いざアジア最高権威の大会ではトロフィーから遠ざかって半世紀以上も過ぎている。
今年2月から韓国代表の指揮を執るクリンスマン監督は、頻繁な外遊や職務怠慢などの騒動に巻き込まれた。就任後5試合で3分2敗の未勝利と成績も芳しくなく、早期解任の話も出たほどだった。
ただ、最近になって主力欧州組の士気を高めるリーダーシップが効果を発揮。直近5試合で19得点無失点の全勝と結果を残し、周囲の不信感をある程度払拭した。
国内組の視察など“プランB”の構築には依然として懸念の声が大きいが、不動の“プランA”を十二分に稼働できれば、アジアカップ優勝の可能性も高いというのがここ最近の評価だ。
現役時代はドイツ代表ストライカーとして活躍したスター選手だけあって、代表を取り巻く雰囲気が上向くと「アジアカップ優勝もできるはずだ。そのときに評価をしてもらいたい」と大胆に伝え、いわゆる“背水の陣”を敷いた。
実際、今回のアジアカップで期待に及ばない結果に終われば、クリンスマン監督は最悪の世論に巻き込まれることになるだろう。就任以降から現在まで多くの議論が続いただけに、韓国サッカー協会(KFA)としても指揮を任せ続ける“名分”がない。
クリンスマン監督は“プランA”の完成に注力している。
本日(12月26日)からソウル汝矣島(ヨイド)のホテルで、国内組中心にJリーグ組、またシーズン前半戦の日程を終えた一部欧州組など、計16人を招集してキャンプを開始する。
屋外練習は行わず、室内でウェイトトレーニングなどコンディション調整に努め、大会に向けて調子を引き上げる計画だ。
キム・ミンジェもシーズン前半戦を終えた欧州組の一人だが、バイエルンでフル出場を続けているため体力面を考慮し、休息を与えた。主力の状態を配慮し、外部からの“盾”の役割を果たすクリンスマン監督ならではのスタイルが活かされた形だ。
そして28日、ソウル龍山区(ヨンサング)の映画館「龍山CGV」でアジアカップ本大会に出場する26人の最終メンバーを発表する予定だ。
”サプライズ招集”はない見通しだ。
現在、違法撮影疑惑の捜査に結論が下されるまで代表資格を一時的にはく奪されているFWファン・ウィジョ(31、ノリッジ・シティ)の代役について、多くの韓国メディアやサッカーファンは今季Kリーグ1(1部)得点王のFWチュ・ミンギュ(33、蔚山HD FC)の名前を挙げた。
しかし、今回の国内キャンプの時点で、チュ・ミンギュはもちろん、ほかに代役となる選手は選ばれなかった。
クリンスマン監督はFWチョ・ギュソン(25、ミッティラン)、FWオ・ヒョンギュ(22、セルティック)の既存の攻撃陣2人に加え、1トップでもプレーできるソン・フンミンを活用する構想を描いているようだ。
韓国代表は来年1月2日から最終キャンプ地のUAE・アブダビに向かい、6日に中東の難敵イラク代表と強化試合を行う。イラクはアジアカップで日本代表と同じグループDに入っている。
韓国代表はバーレーン代表、ヨルダン代表、マレーシア代表と同じグループEに属している。
戦力面で大きくリードしている韓国は、グループステージは無難に突破できると見られているが、決勝トーナメントは厳しい戦いとなる見通しだ。
ソン・フンミンやFWファン・ヒチャン(27、ウォルヴァーハンプトン)などの一部欧州組は、アブダビキャンプもしくは決戦の地カタールで代表に合流する予定だ。
KFA関係者は「クリンスマン監督が(古巣の)トッテナムをはじめ欧州組の各所属クラブと疎通を取り、可能な限り早い選手派遣の協力を得るために努力している」と伝えた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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