2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場した韓国代表が、大会期間の飲酒疑惑で物議を醸している。
韓国野球委員会(KBO)が調査に入り、各球団も状況を注視している。まずは“ファクトチェック”が最優先だという立場だ。
5月30日、とある韓国メディアがYouTubeチャンネル『SAY ENTER』の投稿動画を基に追加取材したところによると、韓国代表の数選手がWBC期間、東京・赤坂の高級ルームサロンに出入りしていた事実が確認されたという。
高級ルームサロンに出入りしていたのは「各球団で先発エースやリリーフエースとして活躍するトップクラスの投手3人」とされ、「一部選手は3月8日夜から翌日未明まで酒を飲み、10日夜も翌日未明まで酒を飲んだ。別の選手も、同じルームサロンで9日夜から翌日未明まで酒を飲んでいた」と伝えられた。
韓国代表は東京ドームで行われたWBC1次ラウンドで早期敗退に終わった。9日の初戦でオーストラリアに7-8で敗れると、翌10日には日本に4-13の大敗を喫した。
戦前はベスト4進出を目標と公言していたが、2013年、2017年に続く3大会連続1次ラウンド敗退という最悪の結果を抱き、韓国に帰国せざるを得なかった。
当然、多くの批判に見舞われた。それでも、オープン戦を経てプロ野球KBOリーグの新シーズンが開幕してからは、野球人気の熱も高まり、WBCの惨敗劇は忘れ去られつつあった。
ところが、大会終了から約2カ月が経って再び議論が勃発した。今度は酒の問題だ。
仮に本当に試合当日の明け方まで酒を飲んでいたのであれば、事が大きくなりかねない。KBOは徹底的に調査を進めており、球団も協力するという立場にある。
KBOは31日、「30日の試合終了直後から個別調査を開始した。31日午前9時、総裁、事務総長、関連部署の担当者が出席して会議を行った」と伝えた。
また、「各選手から経緯書を提出してもらい、事実関係を明確に把握する。以後、国家代表運営規定に誤りがあった場合は賞罰委員会を開催する予定だ」と付け加えた。
代表招集期間、選手が酒を飲むことに対する明確な処罰規定はない。
しかし、国家代表運営規定13条には「社会的物議を醸したものに対して懲戒委員会を開催する」と明示されている。
KBOのホ・グヨン総裁は「事実関係を明確に把握せよ」と指示した。スピードも重要だが、調査の精度がより重要だという基準を打ち立てた。
もっとも、各球団は慎重に状況を見守るなか、「事実と違う」という立場も示している。
A球団の関係者は「試合当日の明け方まで酒を飲んだというのは、常識的に話にならないと思う」とし、「WBC当時に発生したことであるため、KBOの調査が先だ。結果次第では我々も措置を執らなければならないようだ」と説明した。
別の関係者も、「内部調査をしているが、報道された内容と差がある。ファクトチェックが必要だ。KBOで調査すると言ったので協力したい。現時点で我々が何かするというのは難しい。正確に把握する」と述べた。
B球団の関係者も、「昨日(30日)の試合後、代表に選ばれていた選手たちに直接聞いてみた。“断固として違う”と言っていた。もちろん、選手の言葉だけを信じるわけにはいかない。KBOの調査に協力する」と強調した。
むやみやたらに懲戒を下すことはできない。仮に試合当日までお酒を飲んでいたのであれば、当然問題になりかねない。
しかし、報道内容と事実が異なるのであれば、懲戒程度を再考する必要がある。休養日前日に気分転換のため軽く飲んでいたのであれば、大きな問題ではないとも言える。酒を飲むこと自体は違法ではないからだ。
韓国代表はWBC1次ラウンド敗退で数多くの批判に見舞われた。今回の飲酒疑惑が事実と確認されれば、今までになく大きな批判にさらされることは間違いないだろう。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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