負傷前のコンディションは最高だった。韓国代表に合流した2月中旬の時点から、150km超えの球を着実に駆使してきた。代表守護神を任せるのに十分なパフォーマンスだった。
米アリゾナ州でのキャンプを終え、韓国に戻った後も、コ・ウソクは快調なコンディションを維持していた。
ところが、WBCを目前に控えた今月6日に故障した。
京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズとの強化試合で、登板途中に肩の痛みを訴えた。直後すぐに降板し、WBC本番では1次ラウンド4試合で一度も登板しなかった。
オフシーズンが始まった昨年11月からWBCに向けて熱心に準備を進めていたが、それもすべて水の泡に。守護神不在で投手陣が崩壊した韓国代表も、3大会連続での1次ラウンド敗退という屈辱を味わった。
それでも、プロ野球KBOリーグの2023年シーズン問題への準備には「支障がない」と見られていた。実際、日本の病院で検査を受けた際、代表関係者は「異常なしと診断された。肩周辺の筋肉の単純な筋肉痛だ」と伝えていた。
LGのヨム・ギョンヨプ監督も15日の検査前、「日本でチェックした際、大きな問題はなかった。韓国での検査は確認作業と考えれば良い」と心配していない様子だった。
しかし、予想以上に状態が悪かったことから、開幕前のオープン戦をすべて欠場するアクシデントに見舞われた。来る4月1日のシーズン開幕に間に合うかも確信できない。
クローザーは球数やイニング数がほかの投手と比べて少ないとはいえ、1軍の公式戦で登板するなら事前の実戦経験は必要だ。
通常は2軍で2~3試合程度出場した後、1軍に復帰する。これらを考慮すれば、開幕日までの復帰は不可能とみられる。
守護神の負傷離脱でLGは試練に見舞われた。現在行われているオープン戦では、イ・ジョンヨン(26)やイ・ウチャン(30)など中継ぎが本職の投手を最終イニングに登板させている。
また、コ・ウソクとともにWBCに参加したチョン・ウヨン(23)も臨時で守護神候補となれる。開幕以降もコ・ウソクが欠場する期間はそう長くないと見られているが、彼が不在の間は誰かがその穴を埋めなければならない。
コ・ウソクは昨季KBOで61試合60.2回を投げ、防御率1.48の42セーブでセーブ王に輝いた。若くして国内最高のクローザーに挙げられ、150kmを超えるスライダーはメジャーリーグのスカウトからも高く評価されている。
所属チームでの好調ぶりを代表でも継続させ、WBCでも活躍するものと見られていたコ・ウソク。しかし結局は東京ドームのマウンドに立つことはなく、チーム復帰後もしばらくの離脱を余儀なくされることになった。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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